戦国転移「えっ、信長様。私が未来から来たって信じてもらえるんですか?」

崖淵

第1話 過去は突然に

おれ、末次武政すえつぐたけまさ(18歳)。

この春、めでたく全ての大学受験に失敗し、一年間(で済むといいなぁ)の浪人生活が決まったところだ。そこまで高望みしたつもりは無いんだけどなぁ…

友人に言わせると、


「自分の模試の結果を見てからそのセリフを言え!」


との事だったが。

っていうかなんで受験に失敗して来年の再受験を目指す状態を浪人って言うんだろうなぁ。意味違くね?とかじゃなくて、突拍子もないところから持ってきたね?的な。

調べてみると、牢人(浪人)という言葉自体は全国を浮浪していた人って意味だったらしいけど、そこに仕官待ちの牢人(浪人)が含まれていた事から連想されたようだね。

とこれでまた一つ賢くなったと思いきや、これまた友人に言わせると、


「勉強しててもそうやってすぐ脱線するのは悪い癖で、それが無ければもう2〜3点は偏差値上がってたんじゃね?」


という事になるんだが…うるさいよ?


先は長い、ゆっくり勉強していこう。

という気持ちと、一年後も受験が全滅したらどうしようという焦燥感が無い混ぜになっている今日この頃だ。とか言いつつそんなこんなで結局河原の土手で寝そべって、居眠りしながら春うららという名の現実逃避を満喫していたところ…


「うっ、さぶっ。」


ちょっと寝過ごしてしまったようで、辺りはもう夕暮れ。

流石に夕方ともなると、外で寝るのにはまだ少しばかり寒いかな…ん?


あれ?


え?


って、ここどこ?


いや、目の前は確かに寝る前と同じ…ような川は流れてて、自分はその土手にいるんだけど。

振り返って見ても普段はここからも見えてたそこそこ背の高いマンションやビルとかが一切見えない。

前を見てみても対岸の向こう側に建物とか全然見えないし、

第一に護岸のコンクリートとかが全く無くなって全部土…文字通り土手だよ!


え、何これ、どういうこと?

マジでここどこ?


―――カァカァァ


「カラス、鳴いてる…」


いや、鳴いてても全くおかしくないんだけど、おかしくないんだけども!

閑古鳥だったら良かったのか?いや、それも違う。

なんかよくわからない自己ツッコミしてるけど、そもそも状況がよく分かんなくて、

しばらく呆然としていたようで気付いたらそんな事呟いてたみたいだ。


「痛い」


ほっぺつねってみた。


「夢…じゃない?

いや、夢でも痛いって思うかもしれないし…。」


などと、ブツブツ言いながら、そのまましばらく呆然と立ち尽くしていると、


―――若殿、こっちです!


というような声が後ろの方から聞こえてきた。

なんとなく振り返ると、遠くから馬に乗った3人とそれを追いかけるように数人の集団が走ってこちらへ向かって来ていた。

そんなにスピードは出てないけど、こちらに向かってくる馬蹄の響きは迫力があるなぁ…などとぼぅっと考えていると、その騎馬は自分の数歩手前で止まり、少しして走って追いかけていた数人が追いついてきた。

お付きの人だろうか?徒歩で馬についていかないといけないなんて大変だなぁなどと場違いな事を考えていると


「あやしい奴め、その方何者じゃ。」


三騎の中から一騎が進み出て、自分に向かってそう告げた。


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新作書き始めたので、以前なろうに掲載した作品を多少の改稿をして新作宣伝用に投稿します。本作は全19話で、全話投稿済です。よろしくお願いします。


↓新作です

何度倒してもタイムリープして強くなって舞い戻ってくる勇者怖い

https://kakuyomu.jp/works/16818093082646365696/episodes/16818093082647161644

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