幼馴染の彼女をNTRれたけど、国民的アイドルの美少女と甘々なラブコメが始まった
ユニコーン
第1話 彼女の浮気現場を目撃してしまった
僕のクラスにはアイドルが居る。
彼女は人目を惹きつける美少女だ。
学園のマドンナであり、高嶺の花である。
良くたとえである学園のアイドル的存在という比喩があるが、彼女はその範疇に収まらない存在だ。
何故なら彼女は、本物のアイドル だからだ。
放課後の教室。
廊下の窓の外には、生徒たちがぎっしりと集まっていた。皆の視線は一方向に集中していて、スマホを片手に持っている。視線の先をたどると、それは掃除をしている
彼女は国民的アイドルグループである
普段なら忙しいはずの彼女が、今この瞬間、普通の生徒と同じように箒を持って床を掃除している。その姿はまるで非現実的な夢のようだった。
「白崎さん、すごい人気だな……」
僕は思わずそう呟いた。
彼女の白銀の髪は光に照らされて輝き、水色の瞳は床を見つめている。
最近では16歳という若さでルミナススターズのセンターに抜擢され、彼女の人気は絶大だ。ミンスタグラムのフォロワーは70万人を超え、彼女が投稿する写真や動画には毎回数千~数万のいいね!やコメントが寄せられる。
握手会では、彼女に会いたいと長蛇の列ができ、チケットは瞬く間に完売する。彼女が出演するテレビ番組やコマーシャルも高視聴率を記録し、その影響力は日に日に増している。
白崎奏は、まさに現代のアイドルの象徴的存在だ。
多忙のはずの彼女が、未だに学生とアイドルを両立しているのは謎である。
僕はふと、掃除をする彼女に歩み寄った。
「白崎さん、掃除は僕がやるよ。仕事もあるだろうし」
白崎さんは僕に気づくと、驚いたような表情を浮かべた後、すぐにいつもの柔らかな笑顔に戻った。
「ありがとう。じゃあ、お願いしようかな」
白崎さんがモップを僕に手渡し、僕はそれを受け取った。
「天城君って、相変わらず優しいね」
そう言い残して、白崎さんは教室を後にした。
「宗太ってば、わたし以外の女の子に優しくするのはどうかと思うんだけど」
声と共にふと背後から冷たい視線を感じた。
振り返ると、そこには茶髪のロングヘアをなびかせた
彼女は僕の幼馴染みで、去年から付き合っている恋人だ。
普段は明るいけれど、今は少し怒っているように見える。
「白崎さんはクラスメイトだし、協力した方が良いと思ったんだ。それに掃除を代わることでこうして二人きりになれたわけだし」
白崎さんが教室から去っていった影響もあって、先程まで居たギャラリーは全ていなくなり現状は僕達だけである。
「あ~、そういう事ね。それなら良いんだけど」
千春はスマホを弄りながらそう答えた。
彼女は少しというか、大分嫉妬深いところがある。
何でも自分が一番ではないと気が済まないタチで、特別扱いを好む。
善意とはいえ、先ほど白崎さんの掃除を代わってあげたのは失敗だったかもしれないと反省した。
「そういえば、デートに行きたいんだけど週末空いてる?」
「ごめん、週末はバイトあるんだ」
「そっか、じゃあ再来週はどうかな?」
「その日も予定あった気がするかな~」
ここ最近、ずっとこんな感じだ。千春は最近忙しいらしく、デートに行けていない。僕たちは幼馴染みで、去年から付き合い始めた。でも、最近は一緒にいる時間が減っている気がする。千春の忙しさを理解しているつもりだけど、それでも一緒に過ごす時間が欲しい。
これが今一番の悩みである。
結局、この日僕たちは掃除をしたものの千春が帰りは友達との予定があると行ったので、そこで別れる事になった。
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休日の午後、僕はカフェの窓際の席に座っていた。手元にはホットコーヒーがあるけれど、その香りすら楽しむ余裕もなく、ただ外の風景をぼんやりと眺めていた。カフェには人々の楽しそうな話し声や、笑い声が響いている。
「どうやったら、千春と前みたいに上手くやれるんだろう……」
心の中で自問自答を繰り返す。
最近、千春と過ごす時間が減ってしまった。バイトや予定が重なり、デートもままならない。
「やっぱり、ちゃんと話すべきなのかな……」
僕はそう思いながら、スマホを取り出して千春の写真を見つめた。
そこには、以前のデートで撮った二人の笑顔の写真がある。あの頃は、何もかもが上手くいっていた気がする。
千春に対して不安を感じるのは、僕自身の弱さなのかもしれない。
でも、このままではダメだ。何か行動を起こさなければ。
カフェで一息つこうとしたとき、ふと視線の先に見覚えのある茶髪のロングヘアが揺れるのが見えた。
「あれ、千春……?」
僕の目は確かだった。千春が、笑顔で誰かと一緒に歩いている。
しかもその隣には、赤髪の短髪で、スタイルが良くて目立つ男がいた。
ユースのサッカーチームで活躍していて、世代別の日本代表FWでもある。
その存在感とカリスマ性で、学校でも知らない人はほぼ居ない。
二人は仲良さそうに話しながら、ショッピングバッグをいくつか持っていた。
千春の楽しそうな笑顔が、僕の胸に刺さる。まさか、千春が赤木先輩と一緒にいるなんて、考えもしなかった。
「千春……どうして?」
僕は思わずそう呟いた。
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