第十三章:ユーシス、お前の行動を一つで、大戦争が勃発するぞ

「問題はなー、討伐パーティーと違って、試合のチームの組み合わせが、教師の気紛れでコロコロ変わるとこだよ。いったい何パターンの組み合わせを考えないといけないんだ?気が遠くなりそうだよ」


「ダメダメ。私そう言うの無理。二人に任せるわー……」

 クロエの恐ろしいお母様に啖呵を切ったあの日から、クロエとユーシスは、毎日毎日、喧々諤々で対リファール対策を考えていた。


 もちろん毎回一位のリファール対二位のクロエという組み合わせになるわけでもないので、日々の授業の中で、二人が直接対決するのは数えるほどしかない。

 その数えるほどしかないチャンスで、毎回相手を直接負かしていかないと、実力が亀甲しているリファールに、ポイントで上回るのは厳しいだろう。


 三対三か、五対五か。互いの術士の組み合わせが誰と誰か、星の数ほどある場合分けに対して、それぞれ、リファールが取るであろう戦略一個一個に、対抗手段を考えていかないといけない。


「まあ、基本の型はやっぱりあるよ。あとは、その基本パターンにくっ付けていく感じで、応用パターンを考えていけば……」


 なんか、楽しそうだな、二人とも。


 真剣そのもののユーシスの顔。


 コイツったら、七年間でいま最も輝いている。


 いいよいいよ、私は。二人に言われたことだけやっとくから。

 エドガー様だって、きっとそうだもの。


 あーあ、夏休み、早く来ないかなー。

 

 放課後の教室で、延々と対策会議を開いている、クロエとユーシスだった。

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