ケモノと人

雪水

好きだから

この世界は獣人と人間が入り混じり暮らしている世界。


決して仲がいいとは言えないが共存関係にあるのは獣人の懐の深さが関係しているだろう。


とある獣人の少年が住んでいる村があった。


その少年はカケルと言い、狼の獣人だった。


年は13歳、まだまだ幼さの残る顔立ちは人間からですら非常にあどけなく映り、また扇情的に見えたようだ。


その村の名を「カクリ村」という。


名前の通り人間が獣人を「隔離」するために作った人為的な村で、このあたりの獣人は例外なくここに住まわされていた。


しかし獣人たちは誰ひとりとして嫌な顔1つしなかった。


ある日そのカクリ村に一人の人間の少年が足を踏み入れた。


その少年の名はハルトと言い、彼もまた13歳という幼い少年だった。


やや垂れ目気味で頼りない印象を受ける少年で、彼もとても可愛らしい顔つきをしていた。


カクリ村の住人たちはいきなり入ってきた「人間」に対し恐怖を抱いていたが、ハルトが獣人に対して非常に好友的に接していたことが良かったのか30分もしないうちにハルトはカクリ村の住人に受け入れられていた。


カケルはハルトのことを見つけると一目散に駆け寄りこう尋ねた。


「ねぇ君、人間でしょ!何歳なの?」


ハルトは驚きながらも質問に答える。


「僕?僕は人間だよ、13歳。」


13歳と聞いてカケルは尻尾を大きく振りながら 僕と一緒だ! とはしゃいでいる。


この日を境にカケルとハルトは毎日あって遊ぶようになった。


そしてカケルはハルトに一目惚れをした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ねぇハルト、今日は何して遊ぶ?」


「そうだなぁ、鬼ごっこはカケル足早すぎて僕相手にすらならないし...かくれんぼとかどう?」


「かくれんぼ、いいね!じゃあ僕探すからハルト隠れてね!」


「わかった!絶対見つからないよ、僕隠れるの上手だから。」


「ふふーん、絶対見つけちゃうもんね。」


カケルが数えてるうちにハルトは隠れた。


30秒が経った頃、カケルはハルトを探し始めた。


「目」ではなく「鼻」で。


「ん~どこに隠れたんだろ。あんまり匂いもしないし...お、ハルトの匂いがする!」



「こっちの方から匂いがする...ん?」


カケルが匂いを辿ると一本の大きな木の前に続いていた。


「ここで匂いが途切れてる、てことは...」


カケルは素早く木を登り始めた。


ガサッ


「おわっっ!!」


「ハルトみーっけ!」


「うそぉ、早くない?ズルしたでしょ!」


「してないよ~、ただハルトの匂い辿ってきたらここに着いただけ。」


「僕の匂い?」


「そう、ハルトの匂い。」


言いながらカケルはハルトの首筋に鼻を持っていった。


「ひゃっ!」


「ん?ごめんハルト、こしょばかった?」


「う、うん。それもあるけどなんか変な感じした。」


「変な感じ?」


この世界では獣人も人間も場所は違えど学校があり、授業内容も酷似しているらしい。


13歳ともなれば性教育は受けているので大方の知識が二人には備わっている。


しかし二人には大きな違いがあった。


人間の男子の精通の平均年齢は12~13歳、獣人の男子の精通の平均年齢は10~11歳とかなりの差があるのだ。


そしてハルトはまだ精通が来ていなかった。


カケルはとっくに精通をむかえているのでハルトの言う変な感じ、が快感であることに気づくのはそう難くなかった。


カケルはハルトに


「精通ってもうした?」


と聞くとハルトは顔を少し赤らめながら


「ま、まだ。」


と小さな声で言った。


別に恥ずかしいことじゃないのに、とカケルは思ったがハルトの年でまだ精通が来ていない子の方が少ないだろうと思いそれで恥ずかしがっているという結論に至った。


事実その推測は正しく、ハルトが通っている学校の同学年の殆どが精通を迎えていた。そしてハルトはまだ自分に精通が来ていないことを恥ずかしく思うと同時に不安にも思っていた。


「カケルはもう来たの?」


「うん、俺らは人間よりも体の成熟が早いんだって。」


「いいなぁ、僕のクラスで精通してない子多分僕以外居ないんじゃないかなぁ。」


カケルは自分の心の奥底から湧いてくる感情を抑えきれなくなってきた。


''ハルトを襲いたい''


「...じゃあさ、ハルト。」


「ん?」


「俺が手伝ってあげようか?ハルトが精通するの。」


「ん~、恥ずかしいなぁ。でもせっかくカケルが手伝ってくれるならお願いしようか、な?」


カケルは努めて平静を装いながら、じゃあうちにおいでよ と誘った。


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「じゃあハルト、服脱いで?」


「う、ん。」


真っ赤な顔をしたハルトを見るたびにカケルは押し倒したくなるがじっとこらえていた。


やがておずおずとハルトが服を脱ぎ終わった。


ハルトの足と足の間には可愛い突起が控えめに主張していた。


触っても良い?とカケルがハルトに確認を入れるとハルトは


恥ずかしいけどカケルならいいよ、と許可を出した。


じゃあ、とふわふわの毛が生えたカケルの手でハルトのモノを触るとハルトは


「あっっ!」


と声を出した。


カケルは気にせずにそのモノを揉んだり先を擦ったりしていた。


しばらくするといきなりハルトが後ろに下がり前を隠すようにしゃがみこんだ。


「ハルト、どうしたの?」


「...」


「お腹冷えちゃった?」


「...」


「ほんとにどうしたの?」


「大きくなっちゃって...恥ずかしい...」


「あぁ、そういうこと。その状態が精通の準備できた証だから恥ずかしがらなくていいよ?」


そう言うとこわごわと立ち上がりカケルの方へ寄ってきた。


ハルトのものはさっきよりも芯を持って固く、上を向いていた。


亀頭の半分くらいは露出していたので真性包茎では無いのか、と思いながらカケルはふわふわの手で固くなったモノをしごき出した。


「やんっ、はっ、まっ、まってカケルっ!」


今まで知らなかった快楽が体の中を駆け巡っているのか、ハルトの足が震えてきた。


ハルトの両手はカケルの肩の上にあり、ほぼ全体重をかけている状態なので抵抗することも叶わずただ押し寄せる快感の波に耐えるしかすることはなかった。


ふとカケルは手を止めハルトにこう尋ねる。


「キスしたことある?」


「っ、ふっ、きす...?ない、けどしたい。カケルときすしたい...」


「本気?」


「カケルは僕とちゅーするのいやなの?」


「嫌じゃない、けど俺の牙でハルトの口が傷ついたら、」


「だいじょうぶ、だから、ちゅーしよ?」


ここまで誘われて手を出さないなんてカケルには出来なかった。


少し湿った鼻先がハルトに触れ、次の瞬間にはもうすでに二人の唇は重なっていた。


カケルが唇を離すとハルトが縋るようにもう一度唇を重ねた。


カケルが舌を入れようと口を少し開けた隙にハルトがカケルの口内に舌をねじ込んできた。


鋭い牙をハルトは柔らかい舌先で包み込むようにして舐めている。


カケルはその舌先を絡め取るようにしてハルトの口内に舌を入れた。


長い口吻キスが終わるとカケルはハルトの反り立ったモノを迷わず口に入れた。


さっきまで口吻を交わしていたカケルの口の中は暖かく、滑らかになっていた。


ハルトの小さいソレを喉奥まで咥え込み喉で締め付けながら裏筋に舌を這わせるとハルトは身を捩りながら


「そっ、とこなめなっ、だめだよっ」


と抵抗していたがハルトのモノはどんどん熱くなっていった。


そのタイミングでカケルは口を離し、舌で亀頭の先をちろちろと舐め始めた。


ハルトの抵抗の声が意味を成さなくなった頃、ついにハルトは精通を迎えた。


初めての射精なので透明な体液にところどころ白っぽい液体が混ざっている程度だが、精通したことに変わりはない。


カケルはハルトに精通した旨を伝えるとハルトは恥ずかしそうにはにかみながら、ありがとう! と言った。


そしてハルトはその日からカケルの姿を思い出すたびに主張を始める自分のモノに不安を感じながらカケルのことが気になりだした。


数日後、ハルトはクラスの女子に告白された。


ハルトはあの日以来カケルのことしか考えられなかったので断った、しかしその告白がきっかけでカケルに対する感情がはっきりとした。


「私、ハルトくんのことしか考えられないくらい好きなの、だから付き合ってほしい。」


この言葉がきっかけでハルトはカケルへの恋心を自覚した。


次の日、ハルトはカケルに告白した。


「僕、おかしいかも知れない。ずっとカケルのことしか考えられない。好きだから。ねぇカケル、僕と付き合ってよ。」


カケルはいきなりのハルトからの告白に面食らっていた。


一目惚れした相手から告白される奇跡を体感しているのだから無理もない。


ようやく声を絞り出した。


「...なんで俺なの?」


「好きだから。」


「俺でいいの?」


「カケルが良い。」


「男同士だよ?」


「キスもしたのに今更それ言うの?」


「それもそうか、」


「あと僕カケルのこと考えたら体がむずむずするんだよね、なんとかしてよ。」


「何とかって言われても...」


不意にハルトが囁く。


「またしようね、ちゅーとかふたりでさわりあいっこ。」


「...!?」


「で、まだ返事聞いてないんだけど。僕じゃだめ?」


「だめなわけない!これからもよろしくね、ハルト。」


「もちろんだよ。」


二人は長いキスを交わした。

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ケモノと人 雪水 @Maple1003

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