白いタンポポ
黒い猫
プロローグ
「……」
毎日同じ時間に起きて同じニュース番組を見る。こういった「積み重ね」と言うのが「ルーティーン」というヤツで……。ここまで来ると、もはや「このルーティーンを崩したくない」という気持ちすら出てくる。
それに、ちょっと夜更かしなどして見られなかった日はどことなく気持ち悪い感じを持ったまま一日を過ごす。
ただこれが「一般的な朝の過ごし方」なのかは分からないけど、これが
こればかりは「学生」が始まった年。つまり「小学生」の頃から始まった話なのでたまにふと「そういえば……」くらいに思う事があるくらいだ。
『それでは現場を呼んでみましょう。酒井さん』
そんなある日のニュースで「いつもの様に」神妙そうな表情のスーツを着た男性アナウンサーが下の原稿用紙を確認し、現場にいる記者を呼んだ。
『はい、こちら現場の酒井です。現場はこちら後ろのブルーシートで覆われている緑が生い茂る雑木林の中を少し歩いたところにある大木付近で頭から血を流した若い女性が倒れていると近隣住民からの通報で発覚しました。被害者は――』
真剣な表情で状況と被害者を伝える記者の声と共に画面は被害者と思われる女性……いや、制服を着ているから学生時代に撮られた卒業式の写真だろうか。
「あ」
その画面に映った被害者の名前と共に表示された年齢を見る限りどうやら被害者は結月と同じ年だったらしい。
「同い年か。可哀そうに」
なんて呟きつつ朝食のトーストを頬張り、いつもの様に画面をぼんやりと眺めていた。
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