第56話 ホテルのプール


 俺は彼女たちの要望通り頂くことにした。

 そのまま一挙に事の及ぼうとしたのだが、この年まで全く男性経験のない二人は非常に心配そうにしていた。

 横にいるアリアさんが優しく微笑むと二人に近づいて、何やら耳打ちしている。

 その後俺の方に向くと、「まずはどちらか一人に愛撫してください」と言ってきた。


 俺に近い方にいた花村さんの手を取りキスを始めると、残った榊さんの方はアリアさんと始めている。

 アリアさんってひょっとして両方いける口か。

 まさか二刀流だったとはと思っていると、急に俺の方に向くとやや怖い口調で、

 「直人様。

 何やら酷い事をお考えのような。

 私は違いますからね。

 後輩の指導する関係で覚えたテクニックですよ。

 誤解しないでください」 と言ってきた。


 俺の考えを読めるのか。

 そういえばかおりさんも俺の考えをよく見透かしていたしな。


 この人たちのチート具合は半端ない。

 

 これ以上くだらないことを考えていると酷い事に成りそうだし、何より花村さんに失礼だ。

 彼女の初めてを頂くので真剣に相手を始めた。

 時々アリアさんとパートナーを入れ替え、何度も愛撫してそろそろ大丈夫かなとなってくると、今度は俺の方の準備だ。


 このまま二人に向かうと俺の煩悩をそのまま向けかねない。

 処女の対応にはだいぶ経験を積ませてもらっていたが、今回はなぜだか異様に興奮している自分が分かる。

 4Pだからと言う訳じゃない。

 ボルネオにいたときに既に談合坂相手に4P5Pを経験している。

 しかも彼女たちのほとんどが初めてと言うものだった。

 その時と何が違うのか。

 そうだ、その時には主導権は彼女たちにあった。

 入れるまで彼女たちが初めてだとは思わなかったのだ。

 しかし今回は違うし、何より美人キャリアウーマンを頂けるシュチエーションだ。

 へたなAVより興奮している。


 危ない危ない。

 まずはアリアさんに俺の煮えたぎる煩悩を沈めて貰う。

 横で見ている二人には初めての経験もあって見ているだけで興奮しているようだ。


 ことが済み俺も落ち着きを取り戻すと榊さんに抱き着いた。

 榊さんは顔を真っ赤にして「お願いします」と一言小声で言ってきた。

 ここからは散々教えて貰ったように優しく相手をして榊さんを美味しく頂いた。

 既にすっかり女性としての体ができているためかそれほど痛がる様子を見せずに奥まで入れることができた。


「大丈夫です。 

入れるときに少し痛みましたが、今は動いても我慢できます。

 お願いですから動いてください」


 ここまで言われれば、彼女のご要望通りに優しく動きを入れた。

 しばらく優しく動かしていると彼女は軽くいったようだ。

 そこで一旦彼女から離れ、すっかり顔を真っ赤にして興奮している花村さんを呼んだ。

 次は花村さんだ。

 彼女も同様に美味しく頂きました。

 本当に二人ともいい女だ。

 大人の女性と言っていい。

 これなら何度だって抱きたいとすら思った。

 俺は二人に「これで終わりじゃないよね」 と聞いたら二人とも泣き出して「「直人様の奴隷にしてくだるのですか」」

 奴隷とは穏やかじゃないが、彼女たちの云わんとしているのはかおりさんやイレーヌさんのように扱ってもらえるのかと聞いているのだ。

 それくらい俺にもわかる。

 「俺で良かったらお願いします」 とだけ答え二人を浴室に促した。

 本当は俺も行きたかったのだが、流石に初めてでは彼女たちが恥ずかしがってかわいそうなので、と言うより以前かおりさんに怒られたのを思い出したのだ。


 俺はタリアさんの用意したジュースを飲んで寛いでいた。 

 結局その夜はそのまま終わり朝を迎えた。

 朝みんなで朝食を取っている。

 アリアさんもそうだが、花村さんと榊さんの表情がすごい。

 本当に幸せ全開と言った表情を浮かべ俺のほうを見つめながら食事をとっている。

 これは流石に俺の方が恥ずかしい。

 俺は逃げるように飛行機ライセンスの学校に向かった。


 ホテルロビーでタクシーを捕まえ昨日申し込み手続きを終えた飛行場に尚子を連れて向かった。

 今日はアリアさんには二人の面倒を見て貰っている。

 今日は座学にシミュレーターの説明を聞いて終わりだ。

 それでも午前中いっぱいはかかる。

 最後に学校の担当者から謝りながら説明を聞いた。

 実際飛行訓練に入るときの専属の教官が都合で今回は顔合わせができないそうだ。

 次回には紹介できるがそれまでは申し訳ないというのだ。

 何でも日本人女性の教官を用意して下さっているとのことだったが、急な用事か何かで休暇中とのことだった。


 別に今のままでも問題無いので気にせず大丈夫ですとだけ伝え、学校を出た。

 またタクシーを捕まえて帰ればいいかと尚子を探すと、そこにはアリアさんが花村さんと榊さんを連れて車の前で待っている。

 聞けば尚子は先に帰ったとのこと。

 その日は三人を連れてグアムのきれいな景色の見えるレストランで昼食をゆっくり取って、ホテルに戻った。

 まだまだ時間はたっぷりある。

 そのままみんなでホテルのプールで遊ぶことにした。

 この時には尚子やタリアさんを含め全員で水着に着がえ広々としたプールサイドへ。

 美人、それも国籍人種の違う美人ばかり5人を連れてだ。

 非常に悪目立ちするのだが、そこはそこ、高級ホテルのプールだ。

 変なのに絡まれることなくゆっくりとした時間を楽しめた。

 それにしても一人の例外なく全員がスタイルの良い事。

 まさに眼福だ。

 天国にでもいるような錯覚に陥りそうになるこんな時間を、至福と言わずして何という。

 俺は、周りを見渡した。

 このホテル専用のプールで大小いくつも色々と楽しめるアトラクション型のプールがいくつもある広いエリアだ。

 見渡すと子連れはほとんど無く、老夫婦や新婚と思しきカップルが多かった。

 中には明らかに年の違うカップルがいちゃいちゃしているのが見えた。

 当然年配は男性で、女性の方は下手をすると未成年に近いようにも見える。

 それが一組じゃない。

 結構この組み合わせのカップルが居たのだ。

 あれは絶対不倫だと勝手に俺は心の中で認定して、『リア充は死ね』と呪いをかけておいた。

 自分の事を棚に上げるとはこのことだと後でかおりさんに話したら笑われた。

 そんな遊びが楽しかったのか、きょろきょろしながらプールサイドの観察を続けると、俺の知った顔が居た。

 確かドラマなんかで見た顔だ。

 俺でも知っているのだから結構有名女優なのだろう。

 そんな女性が仲良く腕を組んで歩いていたのだが、男性の方は誰だかよく見えないしたとえ見たところで俺の知らない人だろう。

 そんな俺の挙動を面白がって花村さんがからかいに来た。

 「直人様、あ、本郷様と呼ばなければいけませんか」

 「いや、直人でいいよ。

 それに以前言ってなかったっけ、本郷だとかおりさんと被るから直人と呼んでって」

 「イエ、聞いていませんが。

 ではこれから直人様と呼ばせて頂きますね。

 それより何をなさっていたのでしょうか」

 そんなことを話していると、体が冷えたのか遊び飽きたのかわらわらと集まってきた。

 それじゃ~お茶でもって感じで、全員で丸テーブルに移ってお茶を頂いた。


 「いや、幸せを感じていたんだが、俺以外にどんな人が幸せを感じているのか気になって周りを観察していた」


 「直人様、あまり他の人をじろじろ見るのはマナー違反ですよ」

 怒られたので俺は反省の弁を述べてから、 「いや、でも知った顔があったので気になって」


 「誰です」


 「名前をよく覚えていないけど、多分女優だと思う。

 ドラマでよく見かける女優だったような。

 そんな人が男性と腕を組んで歩いていたので、少しうらやましいかなって感じで見ていたんだ」


 すると全員が悲しそうな顔をしながら「「「私たちじゃダメですか」」」なんて言ってきたものだから俺は自分の失敗を悟った。


 そのまま失敗を挽回すべくタリアと尚子を残して部屋に連れ込んだ。

 二人には今回はサポートに徹してもらう。

 なにせ尚子にはまだ処女の儀をしていない。

 尚子だけだと彼女が取り残されたように感じるので、今回はサポート要員であるタリアも尚子に付き合ってもらう。

 この埋め合わせはきちんとするつもりだ。


 俺はそのまま言い訳をしながら夕食まで3人を相手に頑張った。


 なぜだか昨日まで処女であったはずの二人が今日になって戦力として活躍してくる。

 まだまだアリアさんには比べるべくもないがうちの新人さん達よりも十分に手ごわい。

 アリアさんは彼女たちに何をした。


 当然全員で楽しく外のおしゃれなレストランでの夕食後にも3人相手に頑張った。

 いくら俺が若いと言っても流石にきつい。


 俺、明日きちんと起きられるかな。

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