第46話 ミニコンサートのお礼


 ミニコンサートを開いてくれた談合坂の5人は裸となって俺に絡んでいた。 

 ミニコンサートのご褒美を頂きたいという話だ。

 ステージ衣装のまま犯して貰ってもいいと会長からも許可をもらっての乱痴気の最中だ。


 もしこの場に先ほどの今日子さんが居たのなら、呆れて先ほどの話じゃないが愛人関係も解消されるのではとは思うのだが、俺のそんな考えなどお構いなしに彼女たちは俺を求めていた。


 前にボルネオで会うまでは処女だった彼女たちも、あの一週間ですっかり俺に開発されたのか、今ではその面影はみじんもない。

 イレーヌさんが精魂込めて用意した俺の執務室はイレーヌさんの願望を違わずに初日に目的通りの使われ方をしている。


 この部屋はインペリアルヒルズの事務所棟の高層階にあり、また、イレーヌさんの会社は財産の運用を生業として発足しているので、売れっ子の芸能人がたびたびここを訪れていても何ら不思議はない。


 尤も、夢を売る彼女たちの生業からはかけ離れた財産運用で、ここを訪れて来るのはあまり外聞が良い物じゃないだろう。

 別にスキャンダルと言う訳じゃないが、アイドルがお金の運用なんて夢が無い。


 しかし、そこでもイレーヌさんの計画は完璧で、この会社は女性だけで運用されており、しかも全員が若いと来ている。


 外に向かっては、たまたま自身の資産について相談するため訪れた会社で、そこの社員と友人となったところに遊びに来ていると言い訳もできるようにまでなっている。

 なにせ、ここの会社は全員が若い女性だけなので、意気投合したと言っても充分に説得力がある。


 何を言いたいかと言うと、ここでなら俺は安心して彼女たちをいくらでも食べることができる。

 ここでの行為は絶対に写真週刊誌などにはすっぱ抜かれる心配がない。

 なぜなら、イレーヌさん達が敵対しているのがプロの諜報組織なのだ。

 ここは、防諜関係には多分日本で一番気を使われている場所の一つだろう。

 そこらのパパラッチには逆立ちしても叶う相手ではない。


 そのあたりの事を十分に理解している吉井会長が、ここでならいくらでも俺に媚を売ってくれとまで言っているそうだ。

 会長に言われるまでもなく、ボルネオですっかり俺にメロメロにされている彼女たちは機会があればリスクなどお構いなしに関係を持ちたがっていたようで、そういう意味でもここは重要性を帯びてくる。


 会長が彼女たちを連れて事務所開きに来たのも、俺たちとのコネクションの強化もあっただろうが、彼女たち談合坂のメンバーの慰労もあったのだろう。

 その慰労をするのが俺なのだが、まず健全な男なら不満は出ないだろう。

 俺も、なんだかんだと言いながらしっかり頂いているのだから、まんざらでもなかったのだ。

 

 2時間、この部屋に入ってから2時間が経った。

 5人相手に2時間では長いか短いかは議論の分かれるところだろうが、相手している男が一人なので、俺にとっては長い2時間であることには変わりがない。

 彼女たち全員が満足したかはともかく、俺の体力が限界なのと、それよりも忙しい彼女たちが次に予定が入っているために時間が無かったことと、俺には殿下たちを飛行場まで送る予定が迫っているので、とりあえず俺は解放された。


 別れしなに彼女たちから、「これからは時間が空けばいつでもこられるよね。」と声を掛けられて、怯んだ俺だったが、ひきつった笑顔で「そうだね」の一言をやっとの思いで応えていたのだ。


 彼女たちは順番でシャワーを浴び準備を整えて、隣室の応接室で待つ彼女たちのマネージャーのところに向かった。


 会長を始め、開所式に参加した客は既に帰っており、応接室には俺の所の女性たちがマネージャーと話し込んでいた。


 殿下たちは、今回のご休憩用に俺の住まいであるペントハウスを開放してあるのでそちらで休んでいるはずだ。

 尤も今回も外務省の役人がいるので、いくらお忍びとはいえ、多分非公式会談をしているだろう。

 この部屋に入る前に、かおりさんがそっと教えてくれた。

 「直人様には、ご一緒頂かなくとも結構です。

 それよりも直人様は日本でのコネクションを作って貰うべく、彼女たちの接待をお願いします。

 殿下たちとの会談にはアリアもいますし、私たちが全力を持ってサポートしておきます。」


 俺の存在価値って種馬かと一瞬脳裏をかすめたが、本能的な部分もあり、すぐに忘れ逢瀬を楽しむことにした。


 事務所で談合坂のメンバーを送り出してから俺はペントハウスに向かい殿下たちと合流した。


 殿下たちはさすがにこの後の予定は帰国のみで一分一秒を争うような過密スケジュールではないが、それでもだらだらだと日本にいられるわけはなく、俺の合流後すぐに羽田に向かった。


 出迎え同様の車に乗って羽田に向かいそこで殿下たちを送り出した。


 今回の飛行機で、俺について日本に残る女性メンバーたちも交代してボルネオに帰っていった。


 今まで日本で頑張ってきた猫さんチームがボルネオに帰り、代わりにうさぎさんチームが日本に残るようだ。

 

 猫さんチームの新人さんたちの初夜の儀も二人しか終えておらず、ネルヒと葵は次回へのお預けとなり、かなり悲しそうな顔をしながら飛行機に乗り込んでいった。

 もう少し早くから始めていればよかったと俺は後悔したが、とにかく全員とはしっかりやる約束があるので、今回は我慢してもらうしかない。


 とにかく無事殿下たちを送り出して、俺たちの長い一日は終わった。


 ここからは俺の日本における正常運転だ。

 と言ってもまだ大学入学前のある意味モラトリアム期間ではあるが、この貴重な時間を使って俺は日本で自動車免許を取ることにした。


 さすがに入学式まで十日も無いのでこの期間だけで取れるとは考えていない。

 それでも住まいの世田谷から近い教習所を探して翌日には申し込み、早速免許取得のために通いだした。


 イレーヌさんの方は、昨日事務所を開いたこともあり、色々と忙しそうだ。


 各種の申請関係は済ませてはあるが、それでも例の世界を巻き込んでの経済謀略の影響でアリアさんの方から色々と指示が出ている。


 そう多くはないが、その対応が当面の仕事だそうだ。

 それも5月には全体的に目途を付け、それ以降は日本で独自に活動をしていくことになっている。


 それでも他の女性たちの方には多少の余裕が出始めていたので、良い機会だとしてほかの女性たちにも一緒に自動車免許を取ってもらうことにした。


 なので、入学式までは数人を連れ立って毎日近所の教習所に通う生活を始めた。


 そんな生活を始め5日ばかり過ぎたころになって、幼馴染の梓、佐々木梓から電話を貰った。


 「直人君、今大丈夫」

 携帯にかけてきているので、電話で話しても大丈夫か確認してきた。

 直人は携帯そのものを持ったことなかったので、そういった配慮が分からなく、これにはちょっと戸惑っていたがすぐに返事を返して「大丈夫だよ」と答えていた。


 梓は、今週になってやっと東京に引っ越してきて、部屋の片づけを3日かけて終えたので俺に電話を掛けてきたそうだ。


 早い話が、やっと暇が持てたので俺とゆっくり話したいと言う事だ。


 俺はすぐにここインペリアルヒルズで会うことを約束して電話を切った。

 その後すぐに事務所まで出向き、かおりさんに以前かおりさんも会ったこともある梓と会うことを伝えておいた。


 何でも外務省としても俺の行動だけは常に把握しておきたいとのことで、俺の予定については必ずかおりさんには伝えるようにはしてある。


 割と頻繁に外務省側の窓口となっている藤村明日香さんがここを訪ねてきているとか。


 かおりさんの方でも明日香さんのためにここに机でも一つ用意する方向で検討している。


 それにしても最近の俺の周りには女性が、それもとびっきり美人ばかりが多くなった。

 奴隷の女性だけでもかなりの人数になるのだが、昨日急にできた愛人に、ここに通ってくる芸能人のセフレ?、それに年上の海賊興産側の担当者。

 そこに、外務省の美人のお役人まで。


 あ、忘れていた。

 幼馴染の梓もいい女になっていたのだ。


 ほんの数か月前からは考えられないくらいの環境の変化を改めて感じていた。


 俺は時間まで自身のために用意して貰っている部屋で教習所のテキストをパラパラめくって時間を潰していた。

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