第5話 部活の応援

 俺は剣道部で高2でなんとか部の中でも存在感を持っている。

 部長がいないときは臨時で一年に檄を飛ばす役を買って出る。

 そのおかげか有段者になって全国大会にも出場して惜しくも準々決勝で敗退した。

 まぁそれはそれで悔しいのだが。

 剣道部というのは汗臭いし、暑苦しいし、夏は地獄だ。

 最初の頃は竹刀すら持たせてもらえずひたすらすり足だ。

 舞の方も陸上部で頑張っている。

 本格的に練習しているのか、本番さながらに奴は短パンとかたまにブルマとか履いている。

 うーん、引き締まったいい尻をしておる。

 大賢者になった俺は魔法が使えるほど精神的に満たされる。

 スポーツドリンクを飲みながら、喉元の汗をぬぐい、練習の成果を他の女子と共有し笑いあうあいつの笑顔は太陽のように眩しい。

 俺と舞は何気なく目が合うと舞の方が俺に手を振ってくれた。

 眩しいあいつの笑顔に急かされるように俺も手を振り返した。

 一緒に帰るころになるとその話が話題に上がる。

 「またよん、今日部活見に来てくれたんだ」

 「まぁ、見るだけだよな」

 「うち、短パンとかブルマやから恥ずかしいだけど」

 「まぁ、それ目的に見てる」

 「変態!」

 「嘘だよ、頑張るお前が眩しくてな」

 「え」

 「お前が頑張っているところを見ると俺も頑張ろうって思えてくるんだ」

 「そっか」

 それきり俺から貰ったポカリの缶をちびちびと飲む。

 首が赤く、うなじには汗がほんのりとガラス細工のようにキラキラと輝いている。

 それが何となく綺麗で、ほのかに石鹸の香りがする。

 無言で歩く二人。

 毎日のように二人で歩く俺達。

 あらぬ噂が立つのだろうか。

 たってもよいではないか。

 俺もだんだんこいつの良さがわかってきた。

 はにかむこいつの幸せそうな笑みを見て俺はそう思うのだ。

 

 青春経験値が2増加しました。

 

 

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