突然、幼馴染のステータスが見れるようになった。
ビートルズキン
青春レベル0
第1話 プロローグ
ステータスオープンといっても普通の人には何も見えない。
そりゃそうだ。
現実には見えないものがたくさんある。
見えなくても大事なモノがたくさんある。
ある日俺は一人いつも通りに帰路についてとぼとぼと歩いていた。
ピンクのボールを持った女の子が道路に出た。
トラックがその女の子とぶつかろうとした。
俺は駆けて女の子を助ける。
女の子は泣いて怖がり、女の子の両親が泣いて駆け寄り俺に感謝の言葉を伝える。
親として子供の面倒はちゃんと見てもらいたいものだ。
まぁ良くある話ならここでうっかり俺は死んで異世界転生するのがセオリーだろうがところがどっこい走るのが速い俺はトラックに自分が轢かれずかつ女の子を助けるミッションを成功させるのだ。
剣道部有段者の実力をなめてもらっては困る。
そこは陸上部じゃないのかよというツッコミはさておき。
一ついいことをしたなぁと俺は意気揚々と家へと帰り、母の手作り唐揚げでご飯をおかわりしてテレビをみてスマホを見ながらボーッとして少し試験勉強をして一日を終える。
何気ない日常だった。
その日の夜。
俺は夢を見た。
その夢の中で声が俺に囁く。
―――――汝何を求めん。
「うーん、彼女が欲しいなぁ」と俺はおぼろげに純粋無垢な願いを口にする。
「その願いの手助け承った」
俺は手助けだけかよと思わずツッコミをしてしまう。
そうして俺は朝日と共に起きていつものように学校へと向かう。
家から出て徒歩5分のところで幼馴染のあいつが俺の隣を歩く。
「いやあ、またよんは今日も部活かい?」
人懐っこい笑みを浮かべる茶髪が地毛のポニーテールの快活な女子である舞は俺と隣を歩く。
家が近いというだけで幼い頃よく遊んでいたから今も惰性でよく一緒に登校する。
俺は頭の中に違和感を感じた。
何か思い出せないことが頭の中に引っかかっているような錯覚を覚える。
どこからか声がする。
————汝の願いのためにステータスオープンと頭の中で呼ぶが良い。
俺は素直にステータスオープンと頭の中で言葉にする。
すると舞の頭上に何か数字のようなものが表れて――――。
これは不思議で地味な能力に目覚めた俺の物語である。
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