第39話 クリティカル!?ガレット!?八宝菜!
「丁度お昼の準備の時間だね。メインの料理は僕が作るから、2人には副菜と汁物を作って貰いたいな。」
10時のおやつを食べた後お母さんが1時間程練習を行い、スクロールの効力が切れたタイミングで昼食の準備を促す。
「もちろんよ。アルエは、どちらを作ってみたい?」
「汁物を作りたいです!この前お味噌汁を作った時は、ママが出汁を作ってくれたので今回は全部私が作ってみたいです!」
「じゃあ、私が何か1品と言う事ね?アインが作ろうと思っているものと合うか分からないけれど、ガレットにしてみようかしら…洋食の本を見て気になっていたのよね。」
「お母さんは、ガレットか~中に何を入れてもいいからかなり応用の利く料理だよね。でも、ひっくり返すの難しいから気を付けてね?」
「大丈夫よ。それにもし失敗しちゃっても、アインもアルエもちゃんと食べてくれるでしょ?」
「「それはもちろんだけど(です!)。」」
「ふふふ。なら練習と挑戦をたくさんしなきゃ勿体ないわ。」
お母さんは、ガレットを作るのか…僕も最初作った時は、なんでこんなにつなぎなしで固まるのか不思議だったんだよね~いや、ジャガイモに含まれているデンプン質を使っているという原理は分かっているけれど、不思議なのには変わりなかったんだよね~
ちなみに、僕は八宝菜とピリ辛きゅうりを作ろうと思っている。本当は麻婆豆腐を作りたかったのだが、2人が辛さに耐性があるか分からなかった。なので、ピリ辛きゅうりも作ることで辛い料理を試してもらおうと思う。
まずはお米を炊き始め、きゅうりを茹でるための水を沸かし、きゅうりを板摺してヘタとヘタの反対側を切り落とす。鶏ガラ粉末、醤油、お酢、豆板醤、一味唐辛子、ハチミツ、白いりごまをボールで混ぜてお湯を入れればピリ辛きゅうりの漬汁の完成だ。
八宝菜用に、きくらげをぬるま湯で戻し始め、白菜をざく切り、人参を短冊切り、大蒜生姜をみじん切りにして、きぬさやは筋を取っておく。ウズラの卵と細切りにされた筍は水煮の物を用意する。バナメイエビの頭を取り殻を剥く。ブラックタイガーだと八宝菜の具としては少し大きいと思っているので、バナメイエビを使用した。
取った頭と殻は今度何かに使えるかもしれないので、冷凍しておく。エビをボールに入れ塩と片栗粉、少量の水を加えて確りと揉む。こうすると塩で臭みを、片栗粉で汚れを取ることができる。汚れを出したら一度水で洗ってから、水気を確りと取っておく。魚介系は水にぬれていると直ぐに臭くなってしまったり味が乗らなくなってしまったりするので、出来る限り水に濡れていない状態にする。背中に切れ目を入れ背ワタを取る。背ワタを取らないと口の中でジャリっとして、不快な感触があるかもしれないので、エビの下処理をするうえで絶対必要だと僕は思っている。ボールに塩、胡椒を入れてエビに粘りが出てくるまで揉みこむ。粘りが出てきたらお酒を入れエビにお酒が浸み込むように揉みこむ。お酒がエビに吸われたら、片栗粉を入れ周りをコーティングしてごま油を少量混ぜておく。
沸騰したお湯を八宝菜用とピリ辛きゅうりの漬汁用に少し取り分け、きゅうりを1~2分程茹でる。その後、氷水に落として粗熱を取り1.5㎝間隔の大きさに切り漬汁に浸す。最後にごま油を垂らして混ぜ、キッチンペーパーを被せて乾燥しない様にすればOKだ。食べるまで置いておこう。
きくらげを1/2~1/3位の大きさに切り、鶏ガラ粉末を熱湯に溶かしておく。フライパンに油を入れ中火でエビに両面焼き色を付ける。焼き色の付いたエビは一度取り出しておき、次に大蒜生姜を入れ豚コマ肉を焼いていく。ある程度お肉に火が入ったところで、人参、筍、きくらげ、きぬさや、白菜の順番で塩を振りながら入れ全体に油が馴染むまで炒める。ウズラの卵、取り出しておいたエビ、鶏ガラスープ、醤油、オイスターソースを入れて味を調える。最後に水溶き片栗粉でとろみを付ければ完成だ。大きな器に盛り付け、食べる時は各自ここからサービングスプーンで自分の皿に取ってもらうことにしよう。
お母さんは、ガレットの中にチーズと細かくしたベーコンを入れていた。なるほどだね。見た目はともかく凄く美味しそうだ。パンの方が合うかもしれないけれどね…
ちなみに、ひっくり返す時に失敗し軽い惨事になってしまい「キャー⁉」って言っていたお母さんは可愛かった。「今の無し!」って言いながら一生懸命直していたよ。見た目はともかくと言ったのは、この時にちょっと...いや少し...うん...かなりぐちゃぐちゃになっちゃったからだね。でも、ちゃんと火は入っているし組み合わせは美味しそうだから楽しみだね。
アルエの方は、出汁を取るのに随分ドキドキしていたようだね。鰹節の出汁を取る時の水の温度とか、濾すときに絞って大丈夫かどうかとかを僕に色々聞いてきたからね。具材は、前回作った時と同じく豆腐とわかめを使い、長葱もプラスしたみたいだ。長葱をちゃんと小口切りにしてお味噌汁の入った鍋ではなく、お椀にわかめと一緒に入れてあるのがポイント高いね。やっぱりアルエは、料理のセンスが滅茶苦茶高いと思う。
「このきゅうりのお漬物は、少し辛いから気を付けてね。最初に食べないで後で味を確かめてみて。辛みに慣れていないとキツイかもしれないから他の物を食べてから試してみてね。」
和(ごはん、お味噌汁)洋(ガレット)中(八宝菜、ピリ辛きゅうり)が揃った料理をテーブルに並べ、ピリ辛きゅうりの注意を一応して食事を開始する。ピリ辛と言っているが、実は一味唐辛子が多めで結構辛く作ってあるんだよね…
まずは、お味噌汁から手を付ける。ちゃんと出汁の香りがしてとても美味しい。
「お味噌汁の出汁を上手に取れているね!凄く美味しいよ!」
「本当ですか!ありがとうございます!やりました!わたしも美味しく出来たと思っていたんですよ!」
「アルエの作ってくれたお味噌汁は本当に美味しいわね。つい最近まで料理を一切した事が無いのが信じられないくらい上手よ。」
「えへへへ...ズズッ…えへへへ...」
アルエは、お母さんと僕に褒められたことが嬉しいのかお味噌汁のお椀を両手で持って味わうように飲んでいる。かわいい...
次に、お母さんの作ってくれたチーズとベーコンのジャガイモガレットに手を付ける。形は崩れてしまっているけれど、味は決まっているね。上は結構グチャグチャだけれど、下の方は確りと焼かれていてザクッとしている。ひっくり返すのは慣れないと難しいけれど、やっぱり料理の腕自体は高いね。メイドの時に基礎を学んでいたのが生きているよ。
「お母さんの作ってくれたガレットも美味しいね!形は少し崩れちゃっているけれど、下側はザクッとして上側がホクホクで良い対比になっているよ。チーズとベーコンを入れたのも凄く良いね。これをメインの料理にしても良いんじゃないかっていう位美味しいよ。」
「そう?この料理は、本来外側の表面を全部パリパリにして中をホクホクにするのでしょう?でも、ひっくり返す時に失敗しちゃって、上側が大変なことになってしまったのよね…だから、慌てて下側を思いっきり焼いてパリパリというよりもザクザクにしてみたのよ。そうしないと、食感の対比ができないと思ったのよね…成功していたなら良かったわ。」
そうなのだ、実はお母さんはガレットの下側を焦げる寸前位まで焼いていた。それによって、水分を飛ばした層が厚くなりパリパリからザクザクとした食感に代わっていた。極端に言えば、揚げたジャガイモの器にふかしたジャガイモとパリパリに焼いたジャガイモ、チーズ、ベーコンを混ぜて盛り付けたような感じになっていた。これはこれで、とっても美味しい。初めて作る料理でアレンジをすると碌でもない物しかできない事が多いが、お母さんはとても美味しく仕上げていた。その場の対応力が高すぎるよね…
でも、僕もお母さんのこういうところを頼りにしているところもあるので、改めて頼もしいなと感じてしまう。
「アインの作ってくれた八宝菜とピリ辛きゅうりは、流石にどちらも美味しいわ。八宝菜は、お肉もお魚も玉子も野菜も入っていて凄い料理ね。それに、このトロトロの餡掛けの部分が舌に絡んで味を強烈に感じるわ。それと、このきゅうり!ピリッとしてとても美味しいわよ!辛い料理ってほとんど食べた事が無かったけれど、こんなにも美味しかったのね。ごはんが進むし、ポリポリとした歯ごたえも気持ちいわね。」
「はい!おにいちゃんの料理は、今回もとても美味しいです!お肉もお魚も玉子も野菜も楽しめますし、このトロトロの餡が最高です!この、ちょっと辛いきゅうりもいい刺激です!でも、もっと辛くても大丈夫ですね!」
「よかった。2人ともこのくらいの辛さなら大丈夫なんだ。辛い料理って結構あるから今後のために試験的に作ってみたけれど、2人とも結構いけるね。この辛さを参考に今度辛い料理を作ってみるよ。」
「はい!本では、特に中華で辛い料理が沢山あったので色々食べてみたいです!本の一番最初に書かれていた麻婆豆腐とか食べてみたいな~ってママに話していたことがあったんです!楽しみです!」
ジャストミート!!!!!!!!!!!!
麻婆豆腐を出したくて辛い物を試してみたら、こんなにもクリティカルヒットするとは…
よし!明日のお昼は麻婆豆腐に決定だ!
…と言うか、食べたいものがあったならどんどんいって欲しかったよ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます