小説

テロパーティー

第1話「兄弟愛」

「主よ、起きるのじゃ」

「なんだ黒姫」

「大変じゃぞ」

「どうしたんだ?」

「わらわのプリンがないのじゃ」

「あ・・・」

「なんじゃ主よ何か知ってる顔じゃの!?」

「それ、食べちゃったかも」

「この不届き者!!!」

「ごめん黒姫、買いに行くか」

「おお、ま、それなら良いの」

「うし、出発だ」


二人は玄関を出た。


「で、何プリンがいいんだ?」

「キャラメルプリンじゃ!」

「わかった、じゃあコレでいいか?」

「だめじゃ!!」

「え?だってこれキャラメルプリンって書いてあるぞ」

「わかっておらんのプリンの見抜き方を!」

「そんなのあるのか」

「ああ、あるのじゃよ、」

「で、?どんなんだ?」

「透明なケースに入ってるプリンは信頼度が高いのじゃ」

「なるほど、じゃあこれでいいか」

「だめじゃ!!」

「え?だってこれ透明の容器に入ってるじゃん」

「わかっておらんの、気泡があるものはの、味が薄いのじゃ!」

「ああ、なるほど、じゃあ、気泡のない、これか!?」

「うむ、よいぞ、では主よ、食わせてくれ」

「え?」

「じゃから、あ~んをしてほしいのじゃよ」

「いやいやそんなの今どきのカップルでもしないぞ」

「わかっておらんの、プリンはあ~んされると、てともうまくなるのじゃよ!」

「そうか、なら仕方ない」

「理解が早いの」

「ま~、別に深い意味はないしな」

「なな!!!」

「なんだよそんな顔して」

「主よ、まさかわらわに興味がないのか?」

「いやだってそもそも兄弟だろ」

「兄弟だって恋愛対象なのじゃぞ」

「そうなのか?」

「そうじゃそうじゃ、まったく男してしっかりするのじゃ」

「いや、いや、完全にアウトな発言だろ」

「ではこの漫画に描いてあるこのシーンはなんじゃ」

「それは、漫画だろ、現実にはいないんだ」

「ではわらわが嫌いか?」

「いやそういう訳じゃないけど・・・」

「では好きか?」

「ま~どっちかといえば好きだよ」

「なは~~~」

「そんなにうれしいのか」

「わらわは主が大好きじゃからの」

「そうか、じゃ、彼女はつくらないでおくよ」

「おお、主、男前じゃの」

「まーお前が俺を好きってなら、ってだけだよ」

「そうか、では付き合うかの?」

「え?」

「じゃから、禁断のラブを成就させんかの?」

「ええ・・・いやいや、世間的に死すのでは?」

「主よ、愛にまさる試練などないのじゃぞ」

「そうか、じゃあ、付き合おう」

「おお、主よ!!!」

「じゃよろしくな黒姫」

「おお、よろしくじゃお兄ちゃんよ!」


そうして二人の兄弟活劇は始まる。

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