ゼンセとライセのプロキオンクロス

@ohurosuto

第1話 来世へ逃げた死体風情め。

いにしえの武士。

北条カズヤはいくら敵兵を斬ろうとも

来世へ敵兵の御霊が逃げ生き延び。

前世の業をすべて帳消しにしたつもりで、また似たような悪行を重ねる賊衆に嫌気がさしていた。


そんな時折。

未来の北条カズヤの友人を語る博士のような人物からアプローチが飛んできた。

内容はこうだ。

キミのいる時代からみて、1000年後に大災害が起き、おこぼれだけで至福を肥やしうる。賊の王にみなが圧政されんとす。君のような清らかな殺戮者に折り入って頼みだ。あいつを来世でも殺してはくれまいか。


俺はすぐ従う。

来世でわたしがわたしであると。確証のある自覚をさせるために。

あらゆる絵となり、あらゆる文学となり、あらゆる、題材となった。


そして、時は現在に加速し戻りうる。

鑢トキユキは普通の人間であった。

冗談がすこし好きで、下ネタも相手にあわせて発言できるような。

ただの心がやさしいだけの青年であった。


賊の王である。ベアライフルを五芒星の活殺術でぶち殺しておいた。

予言とは福利である。圧倒的な九星の王により。

救済されてきたであろう、人々、民の願いの寄せ集めで

ようやく賊の王どもはその汚い座席からようやく腰を動かさんとする。


汝予言

予言汝。


その形を変えて届いた文を見て、鑢トキユキは確信する。

賊を殺す。

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