ひとりっ子ならではの重圧

白鷺(楓賢)

本編

私は、ひとりっ子として育ちました。兄弟がいないため、常に「お前は跡取りだ」「跡継ぎとしてしっかりしろ」と親戚中から言われ続けてきました。特に家業があるわけでもないのに、なぜかそう言われることが多く、それが私にとって時折、非常に大きな重圧となっていました。


たとえば、就職に失敗した時や、中学校を休みがちになった時など、親戚から「跡取りとして恥ずかしくないのか?」と厳しく責められたこともあります。自分では一生懸命頑張っているつもりでも、そうした言葉は心に深く突き刺さりました。


現在、私は発達障害や鬱病と向き合いながら、B型事業所に通って働いています。工賃を頂きながら、障害年金を受給して生活をしています。両親も当初はこの生活に反対し、就職を強く勧めてきましたが、いろいろな方の助けを借りて説得し、今ではある程度の理解を得られるようになりました。自分のペースを大切にしながら暮らせる環境が整いつつあります。


しかし、親戚、特に祖母は厳しく、会うたびに「結婚しろ」「就職しろ」といった指摘を受けます。これは私にとって非常に大きな負担であり、しんどいと感じることが多いです。ひとりっ子であるがゆえに、背負うものが多く、将来に対する不安は尽きません。両親が歳を重ねるにつれ、家のことや両親の介護について考える機会が増えました。


時には「もし兄弟がいたなら」と思うこともあります。頼れる人がいないという事実が、私にとって最も大きな不安の一つです。しかし、相談支援事業所の相談員さんやB型事業所の相談員さんが話を聞いてくれることもあり、そういった時に彼らに頼ってもいいのかな、と思うこともあります。


まだまだ課題は山積みで、時には心が折れそうになることもありますが、これからも自分なりにどうすれば良いのかを考え、前を向いて歩んでいきたいと思います。ひとりっ子としての重圧に負けず、自分の道を見つけるために。

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