未だ春、心を離さず

風鈴はなび

想い桜

余りにも空が澄んでいる

今の私には眩しすぎるほどに


桜の木の下で空を仰ぐ

頬を撫でる感触は

風かはたまた君の手か


風よ吹け強く強く

桜と想いを散らしておくれ


桜よ散れどうかどうか

想いと儚く空を舞っておくれ


咲き誇るは散るためか

脆く儚きは誰がためか


桜よ桜

あの人の代わりに答えおくれ

咲き乱れ人を魅了する

舞い散ってなお人に紡がれる


さくらよさくら

この花に代わり答えておくれ

微笑みは私を焦がす

命を散らしてもなお私を魅せる


その花に

その命に

一体どれほどの価値があったのか


声は一向に聞こえず

風の音だけが木霊する


そして

終ぞ答えを聞くことなく

桜だけが散っていった

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未だ春、心を離さず 風鈴はなび @hosigo_s

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