わからない過去
天川裕司
わからない過去
タイトル:わからない過去
俺は引っ越してきた。
自宅で仕事を続けるうちに蓄えもでき、
やっと新しい新居に引っ越せた。
「よし、またここで心機一転やってくぞ」
と思っていたその矢先。
「…くそ、痛ぇなぁ…」
持病の頭痛に悩まされた。
俺はその昔、自律神経失調症・パニック障害に罹っており、
その症状が今でも出るのだ。
治ったと思っても治ってない。
これが自律神経失調症・パニック症の大きな特徴であり、
何度も精密検査を受けてきた上、
異常なしの診断の上でこの症状が続く。
「くそう!もう嫌だ!こんな苦しみ、本当にもう解放されたい!」
そう願う日々が長く続いた。
そして最近はずっとこなかったのに、まだ頭痛が来た。
目の焦点が合わなくなり、ワンワンとした感覚が少し続き、
そのあとで目の辺りの痛みがやってくる。
これがしつこく続くのだ。
そしてそのドンピシャのタイミングで
仕事で使っていたパソコンを見ると、
「…なんでこんな時に限って…」
依頼された仕事が膨大に来ている。
昨日まで全く大丈夫で元気だったのに、
そんなときには全く仕事は来ず、音沙汰もなかったくせに、
本当にこんな時に限って
そのドンピシャのタイミングを狙っていたかのようにして、
俺をいじめるように現実をやってくるのだ。
誰かがどこかでこうなるように
采配してるんじゃないのか!?
そんなことも普通に思えてきてしまう。
そう、これまでそんな事が何度もあった。
「…ああ、苦しい。…ピントケアも買ってなかったか…」
自分のせいだけど、ここ数年大丈夫だったから
もう大丈夫だろうと思って
こんな時に使うようにしていた
ピントケアの目薬も買ってなかった。
幸い今年いっぱい使用期限のある
ロキソニンが手元にあったので、
それは飲んで何とか落ち着こうとした。
その時ふと壁を見ると…
「…うわあっ!?」
恐怖の顔した女がうっすら立ってるように見えた。
まだ頭痛が冷めやらぬその中で、
俺は夢を見ていたんだろうか。
ほうほうのていで眠気がやってきて、
その眠ろうとしている俺の耳もとに、
「ヒヒヒ…」と言う声が聞こえた。
その瞬間、俺はこいつのせいかと直感で思った。
今こうなっているのはもしかするとこいつの…
その翌日。
やっと体調が回復し、昨日の事は夢だと決めて、
お部屋の掃除をしていた。
すると押し入れの中から或るものが見つかった。
「…これ…藁人形…?」
呪いの人形だ。
その人形の顔の目の部分に、釘が刺されていた。
もしかしてここは事故物件?
あらぬ事まで考え出した。
でもこれまでにもこれと同じような症状はあった。
いつから取り憑いたのかわからない。
もしかして昔から…。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=vEkhqe_ooGw
わからない過去 天川裕司 @tenkawayuji
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