第71話 エピローグ
魔王討伐。
いや。
アキト。アレス。 スタン。 イライザ。 ソニア。レイラ。フィオナ。
それと、レイラとの間に授かった子供。
皆の最期を看取った。
遠くから手を合わせただけだが。
結局。 アキト達とは、最後まで顔を合わせる事は無かった。
アキトは、俺との約束を守って。 俺の事を誰にも言わずに、墓の中まで持って行った。
俺も、アキトの心意気に答えて。
アキト達の子供たちの代までは、陰から手助けをしていた。
しかし、俺たちの手助けの甲斐なく。
大陸統一国家は、アキト達から数えて8代目の代で瓦解した。
4代目までは、結構まともに頑張っていたのだが。
5代目で堕落し始めて。
8代目で大陸統一国家が無くなった。
まぁ、
欲深さが、人の根底だと言えるのだが。
獣人族、亜人族は相変わらず。
魔人族は、長い年月をかけて、
騒がしくなっているのは、今の所は人族の大陸だけだ。
「どうぞ。」
椅子に座って、考え事をしていると。
俺の目の前に、お茶が差し出された。
「ありがとう。」
そう言って、彼女を引き寄せて、その唇に軽くキスをする。
「何を考えていたの?」
セリアが俺に尋ねる。
「なに。 人族の大陸の事さ。」
「荒れるでしょうね。」
「そうだな。」
「貴方は動かないの?」
「アキト達の子供の代で、アキト達への義理は返した。
レイラと、俺の子の手助けもした。
孫は産まれなかったがな。
他の者たちへの義理も返したと思っている。
なら、これ以上は、何もする事はない。」
「好きにすればいい。 お前が動くなら、私達は全力で助力するまでだ。」
いつの間にか、俺の後ろに佇んでいたシノン。
後ろから、俺の首に優しく腕を絡めて頬にキスをする。
「うん。 死ぬまで一緒だからね。」
そう言って、俺の膝の上に載って、シノンと同じ所にキスをする
「ええ。貴方様に延命された命です。 私が先に死ぬまでは、貴方様に付き添いますよ。」
シノンとは反対の頬にキスをするテレス。
今の俺は、山奥で静かに暮らす隠者に過ぎない。
セリアとシノン。 2人とは、
セリアとシノンは、
永遠の命と、死ぬ事の出来ない身体を。
そして、
この2人には、俺の血を飲ませた。
いや、テレスの場合は事故で、俺の血を口にしてしまい。
他の幻獣種と争いになり、
俺の血には、とある効果と副作用がある。
回復効果と、副作用として寿命の延命化。
流石に、この寿命の延命の効果までは知らなかったので。
契りをしたセリアにシノン。 元から長寿の
まさかの、テレスまでもが、ここまで長寿に為るのは範疇外だった。
テレスは、元魔王ゼアル。
女性に為った事で、ゼアルの時の記憶は全て無くなり。
新たな人生を歩んでいる。
男性器が使い物に為らなくなったのではなくて、俺の精子そのものが、生きとし生ける者たちへの猛毒と為る。
そして、俺の性の処理を出来るのが、契りを交わしたセリアとシノン。
当然、
シノンは元は幻獣なので、特に気にした様子も無かったが。
セリアは流石に少し悩むかと思ったのだが。 少しも悩まずに、俺の
テレスと言えば。 時折は街に出かけて、数年は帰ってこない。
まぁ、おそらく適当に気の合う男性とナニをしているのだろう。
なにせ、俺は夜のお相手は、セリアとシノンの2人以外には出来ないのだから。
彼女も、俺の血を飲んだ影響なのか。 子を宿しにくい身体になっているようだ。
それと
今では、
元々、幻獣と言うのは。
そこに、俺の血が加わったのだから。
そして俺。 この中では、最弱を保ったままだ。
確かに、アキト達の居た時代の騎士団長級くらいには強くなった。
強くなったのだが。
この世界(次元宇宙)に危機が訪れるか。
この次元宇宙に、影響が出るほどの何かが現れない限りは、俺の中の
ナマクラな武器では、今の俺に傷を付けるのは難しくなったけど。
名刀とか業物と呼ばれる武器等は、普通に俺を切る事が出来る。
3人の女性に護られる。
最強なのに最弱な存在。
それが俺。 地球と言う星。日本出身の
=== 完 ===
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