第8話 にゅーがくしき

入学式をやった。

ロゼッタ•ミズーリが生徒会長としてなんか言っていたがステージから遠くの席だったので聞こえない。

ミズーリ先輩生徒会長なのか、目をつけられないようにしないと。。


まあいい、それよりもこれからのクラスが発表される。

「1年1組 コマン•ドー、アラン•ノーゼン…」


いや、何で?アラン•ノーゼン。

君2年生の筈だよね。

なに?留年なの?

スパイのくせして??

ワシ物語に関わりたくないんだけど、、

君に関わりたくないんだけど。

てか、普通こういうのって名前が「あ」の人から順番に言われていくんじゃないの?

最初からコマン•ドーって何?

わけわかめ。



そんなわけで、学園のクラスも同じで席も隣になってしまった。


「おーい、コマンドー」

「おーい」


しかも、何かめっちゃ喋りかけてくるし。

ワシはモブ、ワシはモブ。


「聞こえてる?耳悪いの?」


「耳悪くないわ!!」


ヤバいつい前世で耳悪い、耳悪い言われすぎて耳悪いって言われたのでとつい、反射で喋ってしまった。

まずいぞ。

てか、こいつこんなしゃべるキャラだっけ?

君、スパイじゃないの?ん?


「おーい、コマン•ドー君2年3組生徒会長ロゼッタ•ミズーリがきたわよー。すぐに出頭しなさーい」


ザワザワ

「生徒会長じゃん」

「えーすごいかわいいね。憧れちゃう」

「コマン•ドーってだれ?」

「あれよ。あの黒髪黒目の」

「ちょっとカッコいいかも」


ん、んん

なんか変なのも来たな。

教室がざわざわしてる。

最後の言葉だけは確実に聞き取ったぞ。

ワシの耳えらい。


「おーい、コマン•ドーくんいないの?」


「ここにいるぞ」


おい!なに言ってだよアラン。

ふざけんな。


「ふーん。貴方もいたのね。アラン•ノーゼン。でも貴方には聞いてないわ。私はコマン•ドーくんに聞いているの。」


「でも、コマン•ドーはお前と喋りたくなさそうだぞ」


いや、お前が言うなよ。

ワシはお前とも喋りたくないぞ。


てか、お前たち何でそんななか悪そうなの??


「そうかもしれないわね。でも、私はコマン•ドーくんと喋らなければいけない理由があるの」


「適当なこと言うな」


「いいえ、本当のことだわ。私はコマン•ドーくんを生徒会副会長にしたいと考えているわ。昨年副会長をしていた先輩も卒業してしまったの。そこで、コマン•ドーくんを推薦したいと考えているわ。彼なら責任感もあるし、いいと思ったの。あ、アラン•ノーゼン、貴方は何も言わなくていいわ。コマン•ドーくん貴方はどう思う?」


「あ、急に尿意がトイレにいかないとー」ガチッ


「大丈夫よ。貴方はここ5時間なにも飲んでないわ。ついでに言うと貴方さっきトイレ行ったわよね。さて、改めて聞くわ。どう思う?」


「あ、今日はおじいちゃんの孫の葬式だったんだ。早く行かないと」


「おじいさんの孫の葬式ってあなたの葬式かしら?」

「それでどう思う??」


「あ、校長先生のかつらが落ちた。」ビューン


「え、そんな植毛って噂だったのに」




あれからも色々あったが、そんなこんなでワシの初めて学園生活1日目は終わった。

どっと疲れがワシを襲う。

う、ううこれからの日々を考えるだけで髪が抜ける。ワシの青春が‥‥

 


家に帰ったワシは思った。

2人が仲悪かったら邪神どうすんの??

このゲームは人間と魔族種族の違う2人が分かりあい、種族全体に邪神と共闘する事を呼び掛けることで

無事邪神を倒し、種族間の争いもなくなる。

そして主人公たちは結ばれる。

ハッピーエンドだ。

それなのに主人公同士仲が悪かったら、邪神はどうなるの?世界の存亡は?邪神強いよ?。



なので、ワシは2人の仲をどうにかする事にした。


「ミズーリ先輩、これはどこに持ってけば良いですか?」


「とてもいい質問だわ。さすが私の右腕ね。どっかの誰かさんとは大違いね。それはそっちよ」


「おい!コマンそんなやつに聞かないでオレに聞けよ」


いや、あなたも生徒会入ったばっかりでしょ。


そう、ワシはアラン•ノーゼンを生徒会に入れることを条件に生徒会副会長になり、アラン•ノーゼンが生徒会

に入ることを条件に彼と友達になることにしたのだ。


ワシはモブっていえるの???


世界のためだしょうがない。


ワシは考えることをやめた。

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