公式発表編 1
私がスターライトに加わることは、まだ正式には発表されていなかった。
だからイン〇タライブはもちろん、ネットにあげる写真にも一切映ってはいけなかった。
私も気をつけてはいたんだけど、流星さんが練習室で撮った写真に私が写ってしまっていた。
ファンの方が気づかないはずがなくて、
"え、女の子がいる!マネージャー?にしては可愛すぎるよね"
"まさか流星の彼女とか!?"
ファンの中で流星さんの彼女か、美少女マネージャーかの二択で盛り上がって、ネットのトレンドにまでなった。
この反応を見て、痛いぐらいに分かった。
ファンの方は、私が新メンバーになることなんて望んでないってことに。
「ど、どうしよう…」
私がもう少し気を配っていればこんなことには、
「ごめん。俺がちゃんと確認しなかったから、こんな事になったんだ…」
と流星さんは申し訳なさそうに言った。
「流星さんのせいじゃないです。あの時、私があそこにいなかったら良かったんです」
私は自分を責めた。
「いやいや、純怜ちゃんは休憩してただけだから何も悪くないよ」
「2人とも落ち着いて。もう、起きたことはしょうがない。上から指示が出るまで待とう」
天馬さんが冷静に言った。
「そ、うですよね」
そうだ。
今はこんなことしてる場合じゃない。
一旦落ち着こう。
「今確認してきたんだけど、もう公式に発表することになった」
と智哉さんが報告してくれた。
発表…
「…っ、」
いつかはスターライトのメンバーとして活動することになるって分かってた。
けど、みんながどんな反応をするのか、知るのが怖い。
「大丈夫。何かあったら俺らが守るから」
私の様子に気づいたのか、凛久さんが優しく言ってくれた。
「…ありがとうこざいます」
その言葉で、少しだけ気が軽くなったような気がした。
私はメンバーに内緒で考えていたことがあった。
彼らがどれだけ努力してここまで来たのか、私には分からない。
ファンとして見守っていたけど、だからといって全てを分かったつもりになってはいけないから。
きっと私たちの知らないところで膨大な努力をしてきたはず。
だから、万が一私が彼らの邪魔をしているのなら私は…
メンバーに迷惑をかけていると分かったら、すぐにスターライトを抜ける。
そう決めたからには、そんな日が来ないことを祈って全力でやりきるまで。
「早速明後日にイン〇タライブで発表することになった」
と智哉さんが続けた。
明後日…急な話だけど仕方がない。
それまでに心の準備をしておかないと…
時間が過ぎるのはあっという間で、
ついに当日になってしまった。
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