スターライトとの出会い編 13

「あ、純怜帰ってきたのか…て、雄大さん。純怜のこと泣かせたんですか」


と天馬さんが誤解しているのを見て、私は慌てて首を横に振った。


違います。そう言いたいのに、声が出ない。


「え、ごめん怖かった?怒ってるとかじゃなくて、その、心配で」


雄大さんは自分が泣かせたと勘違いして、オドオドし始めた。


「っ、違う、んです。嬉しくて…」

私は涙を拭いながら答えた。


すると、みんなはキョトンとして私を見つめた。


「心配してくれて。私のこと必要としてくれてるのかなって考えたらすごく嬉しくて…。涙が勝手に」


ただただ感謝の気持ちでいっぱいだった。


「当たり前じゃん。純怜ちゃんはもうスターライトのメンバーなんだから」

と雄大さんは優しく微笑んでくれた。


「そうだよ、それはつまり家族みたいなものなんだよ」

智哉さんも優しく微笑んでいた。


「俺に嫌われてるのかもしれないって、余計な心配してそうだから、一応言っとくけど。俺たちはお前が思っている以上に純怜の事を大切に思ってるんだ」


莉久さんの言葉に、私は胸が温かくなった。


嫌われてるかもって思ってたことバレてたんだ。


「それに、凛月もそろそろ気づくんじゃないか?」「え?」


気づくって何を…


「今に分かる」


莉久さんの言葉の意味が分からなかったけど、


今なら…


凛月さんがすんごく優しくなった。


前までなら考えられない事もしてくれるようになった。


例えば


「おはようございます、」

挨拶をしても無視されるのが日課だったからもう諦めかけてたのに


「...はよ、」

って返してくれるようになった。


休憩中も踊っている私に


「水分補給は大切だから..飲めば、」

ってお水を渡してくれたりもした。


「な?言っただろ。凛月もそろそろ気づくって、」


だけど、私は何もしてないのに…。


心の中で少し戸惑いを感じながら、凛月さんの変化を受け入れようとしていた。


「ふっ」

凛月さんが笑ったのを見て、私は驚いた。


どうして笑うんだろう?


「えぇ、どうして笑うんですか、」


「いや、なんでもない。凛月はちゃんと分かってるんじゃないか?見極めるぐらいできる。そこまで馬鹿な奴じゃないからな」


まぁ頭冷えたんじゃね?って、


つまり少しずつだけど心を開き始めてるってことでいいんだよね。


私は心の中でそう思いながら、凛月さんの変化を感じ取っていた。


凛月さんが、前向きに私の努力を見てくれているのかもしれない。


そして、そんな日が1週間ぐらい続いた。


だけどまさか凛月さんが戻ってくるなんて、夢にも思っていなかった。

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