鶏国
ユカちゃんウルフ
序章 全ての始まり
ナレーション:コリン
動物が暮らしている星の片隅に、小さな国があります。鶏王国という国です。聞いたことがない?それはそうでしょう。何せ、この国は大変な廃国だからです。以前、星で最もお偉いさんなライオンたちが暮らしていた国ですが、いつしかの洪水で国の領土は大きく減少。それで、昔イタチ国の戦争に負けてハトポッポ国へ難民生活をしていたニワトリたちがやってきたのです。元あった住宅街や資材を使って,なんとか世界議事堂に国と認められることができましたが、鶏国は大変な貧乏で、誰もが毎日のパンに困る生活を送っていました。しかし,そこをまたもやイタチ国に襲われて…!?
序章 全ての始まり
ある冬の動物星のお話…
このおはなしの主人公、茶色い鶏のコリンは日が登ると目覚まし時計もないのにすぐに起き出します。しかし,今日は違いました。コリンが起きたのは,真夜中の午前2時でした。それも静かな目覚めではありません。コリンの眠りは,無人戦闘飛行機の爆音にかき消されたのです。コリンはすぐに起き出すと、すぐには外に出ずに窓の外を見ました。そこにはイタチ国のロゴマークが描かれた飛行機が、爆弾を落としている様が見えました。コリンはカーテンを閉め、家中の窓と玄関のドアの鍵を閉めました。そして小さな家の地下室へ行き、地下室への隠し扉の鍵を閉めます。しばらくすると、ばき、という音がしました。心臓の鼓動とイタチたちの足音が重なりました。ダンダンというイタチの足音が近づいてきます。続けて、爆音がしました。どこかの飛行機が略奪を終えて飛び立ったのでしょうか。コリンは,爆音に耐えきれなくなって翼で耳を塞ぎ、目を瞑りました。
そして,翌日の朝。いつの間にか眠っていたコリンは,まず地下室から出ます。しいんとした世界に、階段を登るコリンの足音だけが響きます。ぎっ、ハンドルを回して隠し扉を開けると、そこには荒らされた、みるも無惨な部屋がありました。食器は割れ、タンスは倒れ、金貨や銀貨は持っていかれて数枚床に散らばっているだけでした。そして壁には「イタチ国万歳」と、ペンキで殴り書きされていたのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます