第9話 下校のバスは死に物狂い

当時、地下鉄がまだ路線が少なかった。


だから、通学はバス!一択。


朝は乱痴気騒ぎはしない。

しかーし!!

帰りのバスは大変なのだった。


私の学校からのバス停は始発だったので

余裕で座れた。

そして、次々と色んな学校の女子が乗り込んでくる。

もう、瑞穂区役所あたりはパンパンで乗れない。降りる人(一般人)だけの為に停車する

のだが、、。


そこには、さる女子高があった。

くすんだ緑色の制服の大集団。


バスの運転手は前の乗り入れ口を一瞬開けると乗り込もうとどどーんと大集団が推しせよる。

勝手に後ろの降車口からも侵入しようとする。


運転手は叫ぶ!

「おまえらーー!

のれねぇーんだよー!次のバスにのれーー!

後ろから勝手にのんじゃねーわ。」


すると大集団の女子から

「てめえー!舐めてんのか?

載せろやー!!次のバスまで待てるか?

ちっくしょー!!」と怒号が飛ぶ。


「のれねーんだよ、おまえがバカか?

もう、そこの奴、手を離せ!

ドア閉めるぞー!挟まれてもしらねーぞ!」


「ドアなんか閉められるもんならやってみろやー!」

何人もで体をはって、ドアを閉めさせないようにする。

運転手も負けてない!!

結局、ドアは閉まる。

これで、発車できると思ったら甘い。


乗れなかった大勢の女子高生達は怒り狂って、

バスに蹴りを入れまくる。

そして、バスが発車できないように

バスの前に立ちはだかる始末。


「おまえらー、舐めんなよー!

轢き殺されてーんだな!!」

と運転手も怒り狂って、強引に発車する。


さすがに危ないと思った女子高生達は

前をあける。

「ばかやろー!死ねやー!

次会ったら殺すからなー!!」捨て台詞を吐く。


私達はのんびり座りながら、毎日、繰り返されるこの攻防にうんざりしていた。

何故?

ここでバスの時間は大幅に遅れるから。


今なら、名古屋市交通局にクレームが入りまくるんだろうけど、こんなのは、どこでもあったので一般の乗客も何もしなかった。


ある意味、いい時代である。

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おかしなおかしなおかしな高校生 菜の花のおしたし @kumi4920

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