海の沫になるまでに叶えたい
水見
1
とてもショートストーリーなので気晴らしに呼んでください。
(本当にビックリするほど短いです。理由は一話一話区切りのいいところで終わるからですが)暇があったら呼んでくれたら幸いです。
——————————————————————————————————————
海沿いにある村。そこでは今日——、六月六日にある少女を海に捧げることになっていた。
それが私——
私が捧げられるのは今から一時間後のこと。だからあと生きていられるのは一時間しかない。
思い返せば短い人生で悲しいものだったと思う。だって、今日で十七歳の嬉しい誕生日だったはずなのに、死んでしまう日になってしまったんだから。
それにまだやりたいことがいっぱいあったのに。これじゃあ死んでも悪霊になってしまうんじゃないのかな?
「……ハハ」
私は一人で笑えない冗談を思いながら、乾いた笑い声を出す。
そんなことをしている間にもカチッカチッと、一定のリズムを刻んでタイムリミットが迫ってくる。
色々なことをやりたかったけれども、私の中では一番叶えたかったことがあった。でも、それももうできないことだろう。
あのさ、聞いてくれてる君に最後に一つだけ、いいかな?
私の話を全部聞いてくれない?聞いてくれたら私はもう何も残すことはないからさ。
死ぬまであと五十九分——。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます