第32話 超超超大好き!

「フフフ…。俺YOEEEEEE!…ですか。面白いギャグですね」


やった!笑い取れた!

…じゃなくて!


「アーくんの能力も効かないなんて…」

「コイツ、思ったよりヤバいワン…」


2人が跪いたままだった。

早く解かないと。


それにしても…、

2人共、結構エッチな格好してるねぇ〜。


2人のイメージカラー通り、リンちゃんはピンクの衣装で、キラリンは黄色の衣装なんだけどこれが中々露出度が高い。


一見、女児向けのふわふわ魔法少女系だけど、ミニスカート・肩出し・へそ出しといったエロ要素がぶち込まれてる。


(;´Д`)ハァハァ!興奮するぜ!

デュフ…デュフフフフフフフフ!


さらに、リンちゃんはツインテール、キラリンはツーサイドアップとかいう最高の萌え要素まで備わっている。


かわうぃぃぃぃぃぃ!


一言で言うと、魔法少女サイコー☆♡☆!!!


…とか言ってる場合ではなく、バンジキュウスの体質とやらについて探る必要がある。


必ず敗北という末路を辿る?

因果は関係ない?

しかも、能力の類じゃない?


「どういうことだい?」

「説明など不要です。こういうことですから」


「さっき体質とか言ってなかった?」

「その通りです。玉座を見て分かるとは思いますが、私は言わば“王”の体質なのです」


「王の体質?」

「はい。これは“王への絶対的忠誠”と同じようなものです。人間で言えば、下民がいくら束になろうと、王に叛逆などできるはずもないでしょう?」


「う〜ん…?なんか説明になってないけど、そういうことにしておこう!とりあえず両親は取り返すよ!」


「ですから、それは有澄が私の婿になれば済む話なのですが?」


「それは無理!恋に性別は関係ないとかよく言うけど、実際同性に迫られるとなんかヤだ!」


「ガーン!⤵️」

「落ち込んじゃった」


「恋愛するなら男性ではなく女性の方が良いと言うのですかっ!?」


「うん。てか大体の男がそうだと思うよ?一般的には君がおかしいことになるんじゃない?」


「では、有澄には好きな女性、または気になる女性がいるのですか!?」


気になる人かぁ…。

「それは…、は…」


「果那輝海奈!まずはあなたを始末せねばならないようです!」


“は”しか言ってないんだけど!?

海奈さんとまでは言ってないんだけど!?


「結局こうなりますか。私は姫の実妹。勝てると思っているんですか?」


「当然です!有澄に対する愛の力があれば!」


ロマンチックな言い回しだけど、それじゃホモ展開まっしぐらだよ!


「そうだね。愛の力があれば勝てるかもね」

「え?凜華、なんで立てるんだワン?…って余も動けるワン!」


2人が立ち上がった!?


「馬鹿なっ!なぜ立ち上がれるのですか!?」


「自分で愛の力って言ったでしょ?あたしの愛の力があなたを上回ったの」


「それは…まさかっ!?」


「あたし、アーくんが好き!超超超大好き!」


え?

リンちゃんが俺のことを好き?


「えぇぇぇぇぇっ!?」


突然の衝撃的すぎる事実発覚!


「え!?嘘!?マジで!?リンちゃんって俺のこと好きなの!?」


「そうだよ!アーくんは超鈍感だから全然気付いてくれなかったけどね!」


「なんで俺がディスられてんの?あ、そっか!それ親友として好きって意味でしょ?異性として好きって意味じゃないでしょ?」


「ううん!アーくんのこと男の子として超超超大好きだよ!」


OH NO!!!


「い、いつから?」

「ずっと昔。小さい時からね」


すると、他の皆は―――。


「私は一目見て分かりましたよ。最初に会った時から凜華ちゃんは恋する乙女の目をしてました」


「お姉ちゃんは昔から知ってたよ!恋のライバルだったからね!」


マジかい!

流石は同じ女性目線。


「実は余も知ってたワン!」

「ウチはとやかく言うつもりないけどね〜」


まさかのキラリンまで知ってたとは!

ちなみにマジダルイのこの反応は3回目です。


ちなみにそんな話を目の前で聞かされて、バンジキュウスが黙ってるはずもなく…。


「やはりターゲット変更です。緋詠凜華…あなたは私にとって最も危険視すべき存在です」


「それはあたしもだよ。あなたにアーくんを渡す気はないから!」


「そう言っていられるのも今のうちですよ」


こうして、2人の俺を懸けた戦いが始まった。

先にリンちゃんが仕掛ける。


全知全能滅殺鎌タタッキル!」


今度は剣じゃなくて鎌だー!

…ってあれ?

この鎌どこかで見たことあるような…?


「それはまさかメッソウモナイの鎌…?なぜあなたが?」


そうじゃん!

メッソウモナイが使ってた馬鹿デカい鎌だ!

なんでリンちゃんがそんなもん持ってるの!?


「あたし、どんな能力・魔法・武器でも一度見ただけで、完全に複製できるの」


「なるほど、そういうことですか。ですがその程度の魔法、できる方は人間の魔法使いにも幾らでもいらっしゃるでしょう?」


「そうだね。でもこんな事もできちゃうよ」


すると、リンちゃんは魔法〈変幻自在〉を発動し、鎌の形を変えた。


するとどうでしょう!

メッソウモナイが使ってた時の物騒な見た目とは打って変わって、魔法少女風になってしまったではありませんか!


全体的にピンク色で、♡とか◇とかついてて、かわいい見た目にコーティングされている。


…魔法少女風の鎌って斬新すぎない?


何より驚きなのが…、

なんで鎌身に「♡アーくんLOVE ♡」って書いてあるんだよ!


恥ずかしくないの?

てか、俺が1番恥ずかしいよ!?


「どうやらあなたの有澄への愛は本物のようですね。ではどちらが本当の有澄のフィアンセに相応しいか決めるとしましょう」


「ねぇ、アーくん。あたしが勝ったら、後であたしの告白、聞いてくれる?」


「え?あぁ…うん…」


それもう告白してんじゃん…。




― 第33話に続く ―






森羅万象複製ニバンセンジ

あらゆる能力・魔法・武器を一度でも見れば、完全に複製できる。


〈変幻自在〉

人や物体の姿形を自由自在に変化させられる。




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