第25話 枕投げするよ!

クソで満ちた物語なんて消してやる(キリッ)

じゃねぇよ!

何言ってんだ俺はぁぁぁぁぁぁ!


「有澄くんならそう言ってくれると信じてました!」

海奈さん、やめてください。

そんなに期待されたら後に引けなくなっちゃうじゃないですか。


「アーくん、かっこいい!」

「流石、有澄だワン!」

リンちゃんとキラリンまで

…ってかっこいい?


「いや〜それほどでもぉ〜」

やめろ俺の馬鹿!

そんなに褒められては本当にできそうな気がしてくるじゃん。


「すみません。カッコつけたかっただけです」

「…」

「…」

「…」

「…」

「え、なにこの沈黙!?怖い!」


―――――――――――――――――――――


夜の11時。

良い子は寝る時間だね。

でも俺たちは悪い子だから…

これから遊ぶのだ!


「今からお姉ちゃんたち寝室で女子会するけど、アーくんも同じ部屋でいいよね?」

「逆に俺が女子会に混ざっていいの?」


なんか女子会にいてもいいみたい。

グヘヘヘヘヘ。(ゲス顔)


今日はリンちゃんが泊まる。

それに伴い、夜の女子会が始まった。(2回目)

修学旅行の夜みたいに恋バナでもするのかな?


「枕投げするよ!」

そっちかい!

姉ちゃんが強制的に枕投げを始めた。


女子会って布団の中に入って、好きな男子暴露し合うとかじゃないの?

まぁそれは男もするんだけど。


「いや、あたしはいいかなぁ…ヴワッ!」

姉ちゃんが投げた枕がリンちゃんの顔面にヒットした。


「どうだリンちゃん!お姉ちゃんの渾身の一撃は!」

「いったーい!やったね!お姉ちゃん!」

「グハァッ!」

今度はリンちゃんが姉ちゃんの顔面に枕をぶん投げた。


「楽しそうですね!」

「余もやるワン!」

続いて、海奈さんとキラリンも参戦する。


「キラリン、受けてみてください!」

「やったな!余をなめるなワン!」

「2人とも隙あり!」

「うわっ!」

「ウワーン!」


楽しそうだなぁ。

「よし!俺もやる…」


参戦しようと枕を持った瞬間、大量の流れ弾ならぬ流れ枕が俺に飛んできた。

「うわぁぁぁぁ!」

俺は大量の枕に埋もれた。


ヤバ、出られない。

いや、そんなことより…


「枕投げ俺も参戦させてー!」


―――――――――――――――――――――


1時間後、さっきまで枕投げしてたのが嘘のように皆は寝静まった。

静まった―――


いや、キラリンめっちゃ寝相悪いね。

横にいる俺の顔を蹴ってきやがる。

それはいい、それはいいんだけど…


キラリン、めっちゃ足臭いなぁ。

寝相が悪いのは想定内だけど、足臭いのは流石に想定外だよ。


「グーグー(-_-)zzz」

「…」

ヤバい無理!くっさ!

我慢できない!


キラリンの足の匂いに耐えかねた俺はリビングに避難することにした。

しょうがない。

今日はテレビでも観て一晩過ごそう。

そう思い、リビングに行くと―――


「アーくん?」


リンちゃんが少し寂しそうな顔をしていた。




― 第26話に続く ―

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