『宇宙の窓』

やましん(テンパー)

『宇宙の窓』 上


 南極の、とある地点に、『宇宙の窓』がありました。


 それが、いつからあるのかは、誰も知りません。


 また、それは、真っ白な風景に隠されていて、そう簡単には見つからない場所にありました。


 人工衛星から見ても、分からないのです。


 しかし、そいつは、たいへんなものだったのです。


 西暦でも、独自の年号でも、とにかくそれを言って、なになにを見たい、というと、その過去の事実の状況が、その場に再現されるのです。


 地球だけではなく、宇宙全体について可能でした。


 たとえば


 『この宇宙のファーストスターを見たい。』


 と、言うと、我々宇宙の最初の星を見ることができるのです。


 キーワードの言い方次第で、様々な角度から見ることが可能だったのです。


 しかし、そんなもん、どうせ、CGだろ。


 と、言ってしまうこともできました。


      🔳


 で、たまたま、これに行き当たってしまったのが、南極観光を、商店会のくじで当てた、『やあましん』さんでした。


 観光飛行船が遭難して、たまたまたまたまたまたま、その場所に降りてしまったのです。


 生き残ったのは、やあましんさんだけでした。


 しかも、南極ですからね、生きるのが、簡単なわけがありません。

 

 ただ、極点とかではなくて、わりに端っこよりの、あたりだったのですが、それがどこかなんて、やあましんさんには、分かりません。


 ここは、遥かなむかしに、何者かが作ったものには違いないのですが、そうした案内プレート類はありません。


 しかし、なんと、そこには、人類が住んでいたのです。


 そこを見つけたあと、気絶した、やあましんさんは、気がつくと、真っ白な部屋に横になっていたのです。


 ぼんやりと、天井あたりを見ていると、真っ赤に膨らんだような、まさに、怪人の顔が現れたのです。


 『あんたさん。だいじょぶかあ。みたところ、アジア人だべ。アジア語わかるべか?』


 『あなたは、どちらさま?』


 『おら、ちばかぶら、だあ。第七次地球温暖化対策調査団の、調理人補助だあ。』


 『あの、遭難したという? たまとくろがいたという。』


 その話しは、飛行機のなかで聴いたのでした。


 『うんだあ。よく知ってるなあ。たまも、くろも、元気だあ。ほら。』


 すると、パンダのたまと、くろが、ぐりぐりと、現れたのでした。


 『たまと、くろは、寒さにつよいべなあ。』


 『はあ。ほかの、ひとは?』


 『さあなあ。おらは、たまと、くろの散歩に付き合っていて、穴に落ちたんだあ。ラジオさ、持ってたんだがな、なんだか、全員行方不明とは、聴いたがなあ。』


 『でも、50年前ですよ。』

 

 『うんだ。ここでは、年を取らないべな。』


 『なんと?』


 『ここさは、異次元らしいす。ただし、一旦入ったら、ま、外には出られるが、しかし、でたら、急速に年を取るみたいだあ。まあ、うらしまたろうさんみたいな。』


 『ぶっ。』

 

 『しかし、あんた、あそこで寝てたら、死んでしまうからよ。引っ張り込んだべな。ま、悪く、思うな。な。』


 『それは、感謝すべきか、なんと言うか?』


 やあましんさんは、絶句したのでした。



       🙇


 さて、どうなるか、作者にも、まだ、わかりません。


     🏔️🏔️🌋🏔️

 


 


 


 


 


 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る