初配信1
「さて、初配信始めますか」
17歳の誕生日に高校生の坂本響は初配信を開始した。
「これでいけてるかな…?」
"今日が初配信?"
初めてのコメントがついて同時視聴者数が1になった
「お、初コメだぁ!そうです今日が初配信なんですよかったら見ていってください!」
「僕は坂本
"そうなんだ頑張ってねー"
そのコメントを最後に同時接続者数は0のまま固まってしまった。
今やダンジョン配信は高い人気から続々と配信者が生まれ群雄割拠の時代であった。若い女の子の人気が高いが配信を始めたばかりで特徴もない男性配信者は大して人気が出ずにひっそりと配信をやめてしまうことが多かった。
「うーん何がダメなのかなぁ…とりあえず今日も50層から始めたいと思います」
この世界におけるダンジョンは10層までが浅層、30層までが上層、50層までが中層、それ以下が下層と呼称される。
50層より先の深層と言えば日本でも最上級とされる一級探索者が出向いて探索を行うような場所なのだが響は軽い足取りで直通ワープへと向かった。
水色の光が彼を包むと50層と書かれた看板と大型のモンスターが目の前に現れた。
「盛大なお出迎えですね」
簡単そうに言っているが目の前にいるのは
普通の探索者であればすぐに逃げるところであるが彼は違った。
「
彼の腰に黒に染められた日本刀が現れた。
「せっかくの配信だし豪快に行きます」
一陣の風となってジャイアントベアに向かった響は抜刀し逆袈裟に切り上げると、ジャイアントベアは真っ二つになり核石を落として塵となった。
「さすがじいちゃんの刀よく切れるね。この調子でどんどん倒していこうか」
意気揚々と歩みを進めていく響だが戦闘配信のコメントには気づいていなかった。
"は?うそだろ"
"一太刀で両断とか一級配信者でも出来ないだろ"
響の一太刀を偶然見ていた視聴者はコメントで驚きを露わにする
そんなこともつゆ知らず響は残りのジャイアントベアを倒さんと歩みを進めていく。
仲間が一瞬でやられ響に警戒心を抱いたのかジャイアントベアは彼の周りを取り囲んだ。
「またおんなじってのもつまらないよねぇ…んじゃこんなのはどうかな《神炎》」
目の前にいた一頭へ煌々と光る裁きの炎が迫り一瞬で灰燼へと変えた。
またもや一瞬で仲間がやられ残りの三体は同時に地面を蹴り響へと襲いかかった。
「最後は一気にいこうか《炎刀一閃》」
裁きの炎を纏った刃が三方向から襲いかかるジャイアントベアを一太刀に切り裂いた。
「ふぅ…こんなにやらなくてもいいんだけど配信だからね盛大にやりました。よし、先に進みましょう」
ここでやっと配信画面を見た響はコメントに気づいた
"強すぎるだろお前"
"その刀の切れ味バケモンだろ…"
"初配信ってタイトルなのに50層で一級の群れ討伐してる配信者おかしくないか"
"高校生だよな…?"
「あ!コメントありがとうございます!僕は坂本響、高校二年生です。今日でダンジョンに入って一年なので配信をはじめたんです!よかったらチャンネル登録お願いします!」
"一年で50層って凄くね?"
"その制服って神奈川高校の探索者コースだよね"
"神高の探索者コースって名門じゃん"
「よく分かりましたね!神奈川高校の探索者コースに通っています。そのおかげでここまで強くなりました」
"流石に神高でもここまで化け物揃いじゃないだろ"
"てか途中の火炎魔術初めて見た"
"それな"
「⦅神炎⦆ですかね?あれは僕の魔法なんです」
"は魔法?"
"魔法使いって日本に四人しかいないのに高校生が魔法使えるわけないやろ"
ダンジョンの発生とともに16歳以上の人間は多かれ少なかれ魔力を得た。人々は武器に魔力を込めたり魔術を使って魔物を討伐する。
魔術はダンジョンで術式を得たりダンジョンギルドで術式購入することで必要魔力を込めることで魔術を発現することができるが、魔法とはその人だけが持っている魔術であり特異な性質や圧倒的な力を持っている。
入手方法はダンジョンでイレギュラーを討伐することで稀にドロップするとされているが詳細は未だ分かっていない。
「そうゆう反応になりますよね…でも本当なんです!証拠とかないので信じてとしか言えないんですけどこれから戦ってみせたいと思います!」
そんな話をしていると目の前に大きな魔物の姿が見えてきた。
最強探索者、守護神になる〜折角暴れるなら配信しないと損だよね?気づいたら日本の守護神と呼ばれていました〜 辛宮 @mugi1213
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