〜拾ってみたら〜ヤンキー犬!?

ぽていと

第一章 ヤンキー(犬)との出会い

第1話 ヤンキー(犬)との出会い

ある夏休み、そしてある昼に俺―犬川優太―は公園に来ていた。

夏の太陽がじりじりと照りつけ、セミはみんみん鳴いている。


「俺は犬川優太、小学六年生だ。

趣味はドッジボールとか鬼ごっことかで、嫌いなことは勉強とピーマンの皮むきかな。

一番好きなひらがなは『か』だな。」


自己紹介で好きなひらがな言うやつ初めてみたよ

そして自己紹介が長いなおい

誰に話しかけてるのかわからないこの男は今公園を別に行く当てもなくふらふらと歩いている。

今日は暇だったのでたまたま公園に来ていたのだ。


「あー、暑ぃーー、もう帰るか」


優太は暑いので帰ろうと走り出した

タッタッタッタッタッタッ

30メートルくらい走ってきたその時

「…ん?」

優太はある段ボールを見つけた

おそらく犬が捨てられたのだろう

「ん?何か書いてあるぞ、ええっと…」

その段ボールには雑な字でこう書いてあった

―拾ってくだ

…ふつうこういう時は―拾ってください―である。

「この犬捨てたのどのヤンキーだよ…」

と言いつつも、捨てられた犬を見捨てることなんてできない優しいヤツなので段ボールの中にいる犬を拾い上げた。

刹那、優太は人生で一番驚いた

なぜなら


「いや、犬がヤンキーだったァー!!??」


優太は人生で一番大きな声を出した

なんと、!!

半円を斜めにした、ヤンキーのメガネっぽい目、そしてリーゼント。特にリーゼント。

これはもうヤンキーと言わずしてなんというのだろうか


「うるせぇよ」


「…ほ?」


沈黙が流れた

「いや、だからうるせぇよ」

優太は状況を理解するのに30秒かかった

そして


「犬が喋ったーーァァ!!!!??」


約40秒の間に人生最大のびっくりが更新された


優太はなんかやばいと思って家へ本気ダッシュで駆け戻った。



_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _




「ハァ…ハァ…な、なんだったんだアレ…?」


家についた優太は状況の整理をしていた

「あの犬を捨てたやつがヤンキーじゃなくて犬がヤンキーだったし…しかも喋ったし…!」

今日の運勢は悪くなかったはずだ

なのにあんな未確認生物に出会うなんて…

「…まぁ、家に帰ってきたし、もう会うことはないか…」

フラグが立った

ピンポーン

インターホンが鳴った

「はーい」

玄関へ向かった

インターホンで外の様子を覗いてみた

「………」

そこにはさっき見たヤンキー犬がいた

「………いや!見間違えだろ、無視しよう!!」

優太は現実逃避をした



10分後


ピピピピンポーピンポーピピピンポーンン゙ッガガガッッビビッビーー

壊れそうな勢いでインターホンはまだ鳴っている

なんかゴシュッ、ドシュッという音も聞こえてくる

「くそっ帰らねぇぞあの犬…」

しびれを切らした優太はインターホン越しに話しかける

『人違いです、お帰りください』

どうだ…!

『いや、あってるが?』

なんだこの犬ゥゥ!!!

『と、とりあえずお帰りください』

と言って通話ボタンをおして通話状態を解除した―

 なんか最後に『そうか、そっちがその気なら―』とか言っていたような気もするがきっと気のせいだろ、うん


するとうるさかったインターホンの音も消え、やっと帰ったか…と優太は清々しい気分でアイスを貪った

「はぁ、今日は変な一日だな…」

と、当たりではなかったアイスの棒をゴミ箱に捨てて椅子に座りながらため息をつく

そして目を上げると―




そこにはさっき帰ったはずのヤンキーな犬が俺の前でアイスを食っていた



俺は

いやどうやって入ってきたんだよ

てかそのアイスそれで最後なんだが?

とか思いながら自分の部屋に一目散に逃げていった









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