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弥央は毎日の練習と紗波のサポートのおかげで、サーフィンに対する自信を深めていた。今日は、さらに挑戦するために海での実践を計画している。紗波とともに、少し波の大きい場所に移動することに決めた。




弥央と紗波は海岸に立って、波が少し高くなった場所を見つめている。弥央の心臓は少し高鳴り、昨日の練習での自信が揺らぎ始めていた。


「今日は少し違った波に挑戦するから、気をつけてね。」紗波が言う。彼女の目は真剣で、でも優しさが感じられる。


「うん、分かった。」弥央は決意を込めて答え、サーフボードを海に運ぶ。紗波は弥央の隣で、波の動きを観察しながら彼女にアドバイスを送る。


弥央はサーフボードの上に立ち、波に乗る準備を整える。最初は波に押される感覚が不安で、バランスを取るのが難しい。しかし、紗波が近くで支え、励ましの言葉をかけてくれることで、弥央は徐々に緊張をほぐしていく。


「今度は少し波が強いから、最初は小さな波に乗るようにしてみよう。すぐに慣れるから。」紗波が言い、弥央に軽く微笑む。


弥央は小さな波から挑戦を始める。波の上でバランスを取ることに集中し、失敗を恐れずに何度も挑戦する。サーフボードが波に乗り、少しずつ安定してくるのを感じると、弥央は嬉しさと達成感を感じる。


「いい感じだよ、弥央!」紗波が応援し、弥央は自信を持って波に乗り続ける。彼女は以前のように完璧を求めず、楽しむことを優先するようになっていた。




夕方、二人は海から上がり、夕日が海をオレンジ色に染める中で、海岸で話をしている。


「今日はすごく楽しかった。ありがとう、紗波。」弥央は心から感謝の気持ちを伝える。


「どういたしまして。弥央が楽しそうにしているのを見るのが嬉しいよ。」紗波が答え、笑顔で弥央を見つめる。

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