師匠だけお姉さんと呼ばれた理由

「それじゃ、ミナちゃんお願いね♪ ゆっくりで大丈夫だよ♪」


「うん……、わかった……♪」


 そして私は用意した筆などを机に置き、ミナちゃんにモモちゃんの絵を描いてもらうことをお願いしたの。


 これで本当に少しでも手がかりが掴めたら良いんだけど……。


「えっと〜……、こんなかんじかな……?」


「もう出来た感じ?」


「うん、できた♪」


「そっか♪ それじゃ見てみるね♪」


 ミナちゃんはモモちゃんの絵を無事に描き終え、私は早速その絵を見てみることにしたの♪


「どれどれ……。うん、凄い☆! ミナちゃんの絵とっても上手だね♪」


「ほんとう!? うれしい、アリシアおねえちゃんありがとう♪」


 私はミナちゃんの絵を見てみると、そのあまりの上手さにミナちゃんを素直に褒めていたの♪


 凄く丁寧にモモちゃんの絵を描いてくれたんだよね♪ 頑張ったねミナちゃん♪ とっても偉いよ♪


「確かにミナちゃんの絵すっごく上手だね♪」


「これなら少しどころか確実にモモちゃんの手がかりが掴めるかもしれないわね♪」


「わ~い、やった〜☆! えっと〜……」


「私はマリアだよ♪ よろしくね♪」


「私はルミーナだよ♪」


「そうだった……♪ マリアおねえちゃんもルミーナおねえさんもそういってくれてありがとうございます♪」


 続けて師匠とマリア先輩もミナちゃんの絵を見て、その上手さぶりにミナちゃんのことを素直に褒め、ミナちゃんは私たち全員に褒められたことにとても嬉しそうだったの♪


 希望が少し見えたからか、ミナちゃんの笑顔が増えて何だかとっても元気になってるかも♪ 私としてもミナちゃんが元気になってくれたことに凄く嬉しいよ♪


 

「いえいえ♪ ん……? そういえば何で私だけお姉さんって呼ばれたの……?」


「ん〜、アリシアおねえちゃんとマリアおねえちゃんはすっごくかわいくて、ルミーナさんはなんだかとってもキレイなひとだとおもったからなの♪」


「かっ、可愛い!?」


「へっ……? それって……」


「ふむふむ、なるほどね♪ つまり師匠のことをとても美人さんだと思ったから、ついお姉さんと呼んでしまったんだね♪」


「うん、そうなの♪ ルミーナおねえさんをみてると、なんだかすごくキレイなおとなのおねえさんってかんじがしたの♪」


 自分だけお姉さんと呼ばれたことに違和感を感じた師匠はそのことをミナちゃんに聞いてみると、ミナちゃんは師匠のことを凄くキレイな大人のお姉さんと感じ、それでつい師匠のことをお姉さんと呼んでしまったみたいなの。


 まあ実際、師匠は確かに凄く美人だしね♪ だけどミナちゃんがマリア先輩だけじゃなく、私のことも可愛いと思ってくれたなんて……、嬉しいけど何かちょっと恥ずかしいかも……。


「そっ……、そうだったんだ……、ふ〜ん……。でも、そっかそっか♪ それなら私だけお姉さんって呼ばれたのも納得がいくわね♪」


「おやおや? もしかして師匠、ミナちゃんが師匠のことを美人だと思ってくれたことにとても嬉しかったりして♪」


「えっ!? まっ、まあそうね! 素直にとっても嬉しいわ♪」


「はっ……、はわわわわ……」


「ありゃりゃ♪ アリシアの方はミナちゃんから可愛いって言われて、恥ずかしさからか凄く顔が赤くなってるわね♪ でもアリシアのそういうところがとっても可愛いんだよね♪ うんうん♪」


「なっ!? もっ、もぅ〜マリア先輩! だから私のことをからかわないでください! むぅ~!」


 自分だけお姉さんと呼ばれた理由を知った師匠は素直に嬉しい気持ちになり、かたや私はミナちゃんから可愛いと思われたことに恥ずかしさで顔が赤くなっていたの……。


 うぅ〜……、今でも少し恥ずかしい気持ちだよ〜……。

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