恋がなくなりますように

@o_moti

第1話

「黄色組優勝するぞー!!」

「おぉー!!!!」

5月の蒸し暑い日。その日は体育祭の日だった。クラスのみんなで円陣を組んだ時だった。

「矢代(やしろ)先輩、頑張ってください。」

1人の男子が声をかけてきた。

(1年生?誰だっけ、、、あ。)

思い出した。『九間下(くました)くん』吹奏楽部の後輩。高身長イケメン、成績優秀、いわゆる高スペックの持ち主だ。

(顔あか、、、もしかして好きなのか?)

私は自信満々にそんなことを思いつつニヤけたまま

「ありがとうございます(?)」

ぎこちない返事をしてしまった。だって話したことないんだもの。存在すら忘れかけていた。私はトランペット。彼はチューバ。接点すらなかった。

(まぁいっか。部活で会っても話さないし。)

周りから「ねぇ、彼氏?(笑)」と茶化されたが「違うし!後輩ですよ〜(笑)」とニコニコして言った。


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