第12話 通路4

5つあった通路も残るところあと2つ、出来れば今日中に一気に2つともみておきたいがさっき動物達をみてからそこはかとなく腹が減っている気がするのだ。


「どうするか、、」


「じゃあ今日は2つのどっちか行って飯食って寝よう、残りは明日だ!」


そうと決めれば早速行動に移し、4つ目の通路に進んでいく。


今回はあまり歩くことはなくすぐに別の空間に出ることができた。


「 でけぁな、こりゃ神殿かな?」


入るとすぐに大きな神殿のような建物が出迎え目に入る。


外観をしばらく観察し神殿の真正面にある扉から中に入る。


「おぉ〜神聖な雰囲気だなぁ、俺一応吸血鬼なんだが大丈夫かな」


神殿内部を見回しながら奥に向かって歩いていく、奥にある荘厳で大きな十字架を持った女性の像は女神像か何かなのかな?


大きな女神像?の前に着くと両横脇に一つずつ扉があるのが見えた。


「さっきはこんなん見えなかったなぁ中に入ってみよ、どっち行こうかな、、、右利きだし右から行こ」


"ガチャ"

入るとベットとテーブル、そして椅子が1つずつあるだけで他には特に何もなくこれといって気になる部分もなかったためもう一方の扉がある方に行く。


"ガチャ、キィィィ"

扉を開けるとこちらの方は長い間扉を開けることが無かったのか建て付けが悪いのか甲高い嫌な音が鳴り響く。


「地下かぁ、、、降りるしかないか」


中に入って下につながるであろう階段が見えたため、下に向かって階段を降りていく。


階段を最後まで降り下に着く、辺りを見渡すが特に何もなく奥につながる通路があるだけだ。


「やっぱ吸血鬼便利だな暗くても周囲がしっかりと見えてるな」


自分自身の吸血鬼としての能力に感心しながらも奥の方に進んでいくとまた扉があった。


「ま〜た扉だよ」


今度あった扉は神殿内部の両横に設置されていたような簡素な扉ではなく、荘厳で普段生活する上では見ることもないような立派な装飾が施された扉で神々しい雰囲気すら感じられるような気がする。


「なんか雰囲気があるな」


「ん〜、まぁいいや開けちゃお」


漫画なら開けた時に"ゴゴゴゴ"と効果音がなりそうな目の前の神々しい扉を開けると中は高級ホテルのような作りで中央奥にはキングサイズの明らかに高級そうでとても柔らかそう

でいかにも上質そうなベッドがある。


そしてその上では誰かが寝ているようだった。


「ありゃ誰かいるぞ、こんなとこに普通の人間がいるはずがねぇよな」


「やべぇかも」


"むくり"


ベットの中の何かが起きあがろうとする。


(やばいやばいやばい、逃げれるか?いやもう無理だな、もし最悪戦うことになったら勝てるか、、、、)


いろんな思考が頭を巡り最悪の状況も想定してしまう中、ベッドの上で寝ていた存在が上半身を起こし切ってしまう。


「お前、何処から来た?何もんだ?」


「、、、、」


ベッドから起き上がりこちらをしっかりと見つめて話しかけてきたのは俺の前世?基準の加工あり美女を含めても片手で数えて上位に、イヤ、1番に入るほど可愛い女の子だった。


そんな女の子が裸でこちらを見ている、裸族なのかな、俺もどちらかと言えば脱ぎたい派だからオソロッチだね。


見た目は純白と言って差し支えないほど美しく綺麗な白髪に黒褐色でありながらハリのある透き通った肌の身体にはしっかりと鍛えられたのであろう引き締まった筋肉がついている、そして獣のように鋭く美しい黄金の瞳に縦長の瞳孔はまるで吸い込まれるような不思議な魅力がある。


そして頭には横から前へ大きな2つの角がまっすぐと伸び、他にも身体の様々な部分に散りばめられている人外味を感じさせる人ならざる異質な身体パーツは非常に美しい。


全裸でベッドで寝ていることもあり全身を見ると余計に、ボディーラインの美しさが際立ち思わず見惚れてしまい押し黙っていると。


「おい、お前は何モノで何処から来たんだ?二度も言わせるな」


「俺はこの神殿の前にある通路の奥の空間で最近生まれた吸血鬼だ、、、多分な」


「あぁ!?嘘をつくなよ?お前の言う通りあそこで最近生まれたとして何故ここに入って来れたんだ?それにその銀に近い髪色に4対の羽と赤い瞳、金の瞳孔、極め付けはその高そうな服に付けられた神銀の装飾、高位の吸血鬼じゃなきゃあり得ねぇだろうが!しかも俺を前に会話が成り立ってるだぁ!?最低でも侯爵級じゃなきゃ納得いかねぇし、ありえねぇんだよ!なぁ?」


「いや、本当に生まれたばかりだが」


「ちっくそが!まだそんなくだらねぇ嘘をつくか、まぁんなことは俺にゃどうでもいいがお前みてぇなのが何しに来た!返答次第では、こちらも痛手を負うだろうがこの世から消し去ってやる」


俺は返答に困り少し考えた。























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