『魔法使いのだし』

やましん(テンパー)

『魔法使いのだし』


 『あついなあ。』


 魔法使いのアマンダさんは、くまさんたちの大冒険に付き合った後は、ひたすら、質素をむねとして、それでも、相変わらず、たくさんのぬいぐるみさんたちと暮らしていました。(『くまさん宇宙の大冒険』、参照 🙇)


 ただし、昔のように、各地から強奪してきたりはしていなくて、みな、百均で買ってきたり、先生や、やましんからいただいたりしたぬいぐるみさんたちです。ただし、やましんのも、大概は、百均から来ているようでした。


 とはいえ、先生と幸子さんの他には、たまに、やましんが電話してくるくらいで、やましんに要求はするものの、お話に登場することもなく、友だち付き合いもなく、年を取らない魔法使いとしては、かなり、寂しく暮らしておりましたのです。あの冒険からは、もう、10年以上たち、やましんは年を取り元気がなくなり、あの、かなちゃんは、立派な高校生になっていました。


 『おぼんか。わたしには、あまり、関係はないけど、なにか美味しいものを食べたいな。』


 そこで、アマンダさんは、山を降り、スーパーにお買い物に行きました。


 しかし、みんな、やたらお高いのです。


 『おぼん価格かしら?』


 と、ひとまわり、見て回りましたが、


 『これは、買えないなあ。どしよ。』


 アマンダは、悩み抜き、考えあぐねたすえ、おうどんを1袋買いました。


 それから、掃除機に乗って山の上に帰りました。


 しかし、ふと、気がついたのです。


 『だしがない❕』


 さあ、たいへんです。


 お水は、山から溢れています。


 太陽電池駆動の、小さなIHはあります。


 このところの、猛暑のため、電力は貯まっています。


 つまり、おうどんをお湯でゆがくことは出来ます。(やましんの母は四国出身で、こう言っていました。)


 ただし、それで、美味しいかというと、疑問が生じます。


 『だし、がいるよなあ。だしが。やまのうえだから、昆布はいないしな。』


 すると、くまさん三世が言いました。


 『アマンダさん、冷蔵庫になにかないの?』


 『空だよ。このところ、貯金もなくなって、しかも、みんなやたら高いしね、冷蔵庫はからっぽ。ほらね!』


 『あ! おねぎのはしっこがありましゅ。それを、魔法でどんどん増やしゅのれしゅ。』


 『お〰️〰️〰️☺️ しかし、その魔法は、魔女協会に禁止されてる。お金を増やすのに応用されるからね。違法な行為なんだ。』


 『アマンダさんは、違法、得意だよ。それに、お金でなくて、ねぎ、なんだから、いいんだよ。ふんふん。』


 『まあ。そうか。でも、長らくやってないし。うまくゆかないかも。』


 とはいえ、背に腹はかえられないので、アマンダさんは、ついに、ねぎの切れはしに、魔法をかけました。


 『ぴーぷる。ぴーぷる。ねぎにはねぎをいれますように。ぶっか、下がりますように。やましんが、楽になりますように。ははぴぴぴぷぴぴぴぴ、どか〰️〰️☺️😱😝ん。』


 すると、ねぎさんは、どんどん分裂し始めました。


 『わお。成功!』


 しかし、予想されるように、分裂がどうにも止まりません。


 まるで、核分裂のように、つぎつぎに連鎖し、あっというまに、アマンダさんの家は、ねぎで溢れたのです。


 いえ、いえ、家だけではなくて、山の上にねぎは、どかどか、ねぎ、ねぎ、と、広がりました。


 頂上から、谷に、沢に、小川に、ねぎが溢れました。


 ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ、ねぎ

〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒🥒(ねぎの絵がないのできゅうりで代替します。)〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️😅


 

 『わあ。たいへんだあ。ねぎにつぶされるう〰️〰️〰️〰️。たしけて〰️〰️〰️😭』


 アマンダさんは、悲鳴をあげました。


 そこに、たまたま、様子を見に来た、かなちゃんのおばあちゃんが、あのおんぼろ自動車で、お空から、やって来たのです。


 『まあ。たいへん。また、しくじったのね。』


 おばあちゃんは、アマンダの学校の魔法の先生でした。


 『ちゃぱりぱちゃり、くるくる、ば〰️〰️〰️〰️〰️ん。』


 さしものねぎさんも、あっという間に、分裂を停めました。


 『センセ〰️。たすかったあ。』


 『まったく、いつまでもどじね。』


 結果的に、アマンダさんの庭には、大量のねぎの山ができました。


 『あなた、自分で作ったんだから、自分で使いなさいまし。』


 しかし、かなちゃんのおばあちゃんは、優しいのです。


 持ってきたお野菜などを使って、おいしい、おうどん定食を作ってくれたうえに、冷蔵庫を満たしてくれました。


 さらに、内職もくれたのです。


 『楊子』を、容器に詰める作業でした。


 さらに、おばあちゃんは、お山の標高を1000メートルに高めて、涼しくして帰りました。とさ。ぽ。



      い、いいのか?



 😤😤😤😤😤😤😤😤😤😤




 


 


 


 


 


 


 

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『魔法使いのだし』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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