「冷やし系彼女」さんの秘密。男が、男をストーカーして…。あ、そういう意味か!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 もえーじゃなくて、なえー!さあ、出てくるがいい!っていうか、出てこ~い!っていうのか、冷やし系彼女さんはどこにいる?

 暑い!

 夏本番の熱気で、もえー。

 …と見せかけ、ネットカフェでの会話は、なえー。

「俺、新しい彼女を Getしたぞ!」

「また?」

 笑い合う男性客が、 2人。

 それをこっそり店内で聞いている彼とは、同じくらいの年齢だ。

  2人の会話は、続く。

「やるねー」

「でも、そっちにも何人か彼女がいるわけだろ?」

「まあね」

  2人の男性客は、幸せそう。

 が、彼のほうはがっかり。

 言い方は良くないのかもしれないが、「それほどイケてない 2人」だったから。

 何人もの彼女さんがいるくらいだから、良い感じの芸能人でもきているのかと、彼は思っていたらしい。

「あの 2人には、モテ秘密があるのか?」

  2人の会話に、耳をかたむけ続ける。

「なあ」

「何?」

「お前の彼女さんたちを、さ」

「何だ? 1人くらい紹介してくれと、言いたいのか?」

「…察したな」

「わかるさ」

「そりゃ、気になるじゃないか」

「やっぱり」

「紹介してくれよ。友だちじゃないか」

「わかった、わかった」

「そのコ、一言で言えばどんな系のコ?」

「ひやし系」

 …はて?

 何だ、それ。

「いやし系」ならわかるが、「ひやし系」とは?

  2人はついに、ネットカフェを退店。

 気になってならない彼も、同じく退店。

  2人のあとをつけて、店の外までストーカー。

「男が、男のストーカーかよ~」

 思わず、自分ツッ込み。

 まだ、会話は続く。

「なあ?」

「何?」

「新しい彼女さんを Getするために、金はいくら使ったんだ?」

「ひみつ」

 …ひえ。

 そんなやばそうな会話をする 2人が、ようやく、ある商業ビルの前で歩みを止めた。

「着いたぞ」

「お前のひやし系彼女さんがいるのは、ここか」

  2人が、ビルの中に入っていく。

 尾行している彼の「なえ度」が、アップ。

 ビルの中には、こんな店が待っていたからだ。

「彼女的フィギュアショップ」

 そういえば、 1人が、言っていたっけ。

「金はいくら使った?」

 …ってね。

 あ、察してしまう。

 だれもがうらやむフィギュアなら、高価だろうな。

「う…」

 店の中は、冷房が効きすぎ。

 暑さとのギャップで、皆がおかしくなりそう。

「あ、いらっしゃいませ」

 外歩きの営業から帰ってきた店長らしき人が、一言。

「ひやし系、はじめました」

やっぱり、おかしくなっていますた。

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