川柳びより
友未 哲俊
雑詠
∫ 貴方にも是非きかせたいご尊説
—— お説いかにもごもっとも、でもね、あなたのその御批判、私めに
∫ 怒るだけ無駄でも怒る客の意地
お客様は、偉い!
∫ 生きているお詫びに真似るご焼香
神様はいるのでしょうか?もし、いることがわかれば、私のお葬式嫌いも少しはましになるのですが。故人の冥福さえ祈ってあげられない無神論者は、自分の方だけ生きていることが、何だか申し訳ないのです。
∫ 並べれば間生まれる植木算
「植木算」と呼ばれる算数がありますね。子供心にも、何と哲学的な算数なのだろうと思っていました。
∫ やはらかき毛布も
∫ 今朝ごとに母温かしオムツ捨て
朝ごとに交換する母のリハビリパンツの重さと温かさもこころ嬉しい冬この頃です。
∫ バタフライお化け端まで泳ぎ切る
∫ この頃はお化けもやせる猛暑かな
∫ 熱帯夜隣の人が何かする
初句、奇跡的な写生句です。中学生くらいの女の子が、スイミングキャップが脱げたのも構わず、ざんばら髪で息も絶え絶えに何とか泳ぎ切りました。二句目、ただでさえ骨と皮ばかりなのに。三句目、秋深き隣は何を …
∫ 道ならぬ恋をふたりで舗装する
思わずガンバレ!と声をかけてあげたくなるくらい
∫ スヌーズも効かず蟬鳴く二度寝かな
∫ 蝉法師布施せぬ檀家ばかりなり
初句、目覚し時計並みにうるさい奴ら。朝寝迷惑なので、蝉にもスヌーズを付けるべきだと思いました。
∫ 時々は居たくなくなる青い星
世の中、いやなことで一杯だ。
∫ 年金のすっからかんで初詣で
身も心も軽く、ありがたや …
∫ 割り込まれハザードもらう春の
∫ 福引にはずれてもらう帰路の事故
初句、割り込みじゃ!礼言うな!二句目、世の中とはそういう所。
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