VRMMO始めるオレはNPCになりきって翻弄してみた

第18話午後は3人へのご褒美休憩とするか(5)

「ねー！ カマ姉ー！ あーしの奢りでお子様ランチ4人分お願いしていいー？」

「勿論よぉ〜この子達に奢るって言った人達はおバカさんだったから、さっき追い出して宙ぶらりんになってたのよねぇ〜。

言い出してくれて助かったわぁ」

「ふっふーん！ あーしは間の良い女って言われてるもんねー」

憎めないあっけらかんとしたドヤ顔で胸張っている陽キャギャル。ホント憎めない性格とキャラしてんなぁ。

「一緒にランチしたいけどやる事メガ盛りで無理なのマジつら〜でもこーんな可愛い子達に奢れただけマシかなー？」

チルとチパの間に自分の顔を挟んでうりうり〜！と頬ずりしながら愚痴った後は気持ちを切り替えたのか、すくっと立ち上がって俺達の頭を撫でて離れた。

「作業しながら食べたいからテイクアウトでよろ〜！」

「はいはぁい」

自分の必要な用事をしっかり優先して潔く切り替え出来てるのは好評価だな。こう言うプレイヤーなら、スラム解放の時は歓迎したい。

少なくともすぐ顔面特級呪物になる奴は論外だ！

商品を受け取って俺達に手を振った後は未練がましくもなく、さっさと店を出る…って、アレ？ 出てすぐに立ち止まった？

「アハハハハハハハハ！ 空りんが爆笑してたのはコレかー！

マージちょーウケるしー！

モッコリー！ ちょーモッコリー！ 爆笑していい気分になれたわー！

ニワぴっぴ〜笑かしてくれてありがとねー！」

店内に響く陽キャギャルの大爆笑。相当ツボったようだ。

マジか…まだ近くに奴は居るのかよ……。

早くどっか行ってくれよ！

［陽キャの爆笑が凄まじい件wwww］

［大声でモッコリ連呼すんなや(´º∀º｀)ﾌｧｰw］

［事案を大声で叫ぶ蛮勇よwwwwwww］

［おねロリ百合てぇてぇしてたはずがこのひでぇ落差wwwww］

［噴いた茶返せwwwww］

［マジそれな( ´-ω-)σ］

［誰か動画切り取りしてくれないかなー(´ฅω•ฅ｀)ﾁﾗｯ］

［誰かいねーかなー？(/ω・＼)ﾁﾗﾁﾗ］

［お前らwwwwwww］

［今すぐは無理だろwwwwだって見どころまだ出るかもしれねーんだからwwwww］

［分かるwww目が離せねーわwww］

［揃いに揃って草生やすなwww］

［(　´∀｀)ｵﾏｴﾓﾅｰ］

(ん〜っとつまりこれは、かなーりマズイ…かもしれないですな。

何でこんな日に限って身バレしかねない歩く爆笑罠がうろついてるんでしょうかね？

とりあえず奴が店から離れるまで、コーヒーとアップルパイをもう一度頼んで時間稼ぎしておきましょうか)

店の奥の席の片隅でひっそりとやり取りを観察していた1人の商人がそう呟いていた。

彼は商人のギン。

ホークと同じく住人登録して、モブNPCになりきって商人ライフを満喫している1人の男プレイヤーである。

現在は身ばれピンチに進行形で戦いている。