第14話 登場人物一覧 その2
「戦艦ミカサを奪還せよ!」登場人物一覧 その2
カトー海軍少将
帝国海軍第一艦隊参謀長
ワワン中将が「仁」の人ならば、「知」で長官を補佐する
チェン海軍少佐
第一艦隊旗艦「ミカサ」副長。民間船の甲板長にあたる船務長兼任。物語の中ごろに紹介されるが、出身地はチナ王国。幼いころに帝国との戦争に巻き込まれ、帝国の家庭に引き取られて養子になった。
ハンター海軍少佐
「ミカサ」砲術長。約300名の乗組員の半数を占める砲術科のボス。正確な砲術指揮には定評がありミカサの乗組員の信頼も篤い。イギリス系
メイヤー海軍少佐
「ミカサ」航海長。物語の半ばでサボタージュにより損傷したミカサを無事帰還させるために腐心する。褐色の肌のフランス系。
ノビレ海軍少佐
「ミカサ」機関長。サボタージュにより損傷し、燃料が乏しくなったミカサをなんとかターラントへ帰港させるべく奮闘する。青い肌の北の異民族出身。15の歳に戦闘で帝国の捕虜となり、のち解放され、リセを卒業して海軍兵学校に入校、任官した。
カストロ海軍中佐
帝国海軍第一艦隊司令部主任参謀。海兵トップ卒業のエリート。今回の「無線通信機習熟のための実弾演習作戦」を立案した。スペイン系。
ラカ海軍少佐
帝国海軍第一艦隊司令部参謀。出身はワワン中将と同じ、南の国。
ホワイト海軍大尉
帝国海軍第一艦隊司令部参謀。ヤヨイを除けば、ミカサブリッジ士官メンバー中の紅一点。イギリス系
ヘイグ海軍大尉
第一艦隊通報艦「リュッツオー」艦長。わずか800トンの小兵リュッツオーをキアイで統べるマッチョな軍人。電気学科のミヒャエル曰く、「この人は絶対に敵にまわしちゃいけない人だ・・・」。イギリス系
すでに紹介済みですが、
カトー少将、フレッチャー海軍少将、ヨードル海軍曹長、ルメイ海軍大佐の名前は歴史上の人物からとりました。そのうんちくです。
カトー少将
1905年、日本海海戦時の連合艦隊司令部参謀長加藤友三郎から取、ったのではなく、古代ローマ共和制時代の大カトー、そして共和制末期の小カトーをイメージしました。
前者はハンニバルを撃退した英雄スキピオ・アフリカヌスの政治的ライヴァル。
後者は実質的に帝政を創始したユリウス・カエサルのそれでした。
スキピオもカエサルも朗らかで外交的な人柄の人で男性にも女性にも好感を持たれる、今風に言えば「リア充」タイプの人でした。
ですが、大も小もカトーという人はそれとはまるきり正反対の、陰気で細かく内向的な性格の人で、政敵の枝葉末節ごとをネチネチ虐めてくる性格のひとだったらしいです。物語では艦隊司令長官ワワン中将の腹心としてルメイを目の敵にしている、といった役柄ですが、さてどうなるでしょうか。
フレッチャー少将
西洋系の海軍軍人の名前を考えていて真っ先にこの名前が浮かびました。
アメリカ海軍で「フレッチャー提督」と言えば二人います。日本人になじみの深い方はフランク・ジャック・フレッチャー(Frank Jack Fletcher, 1885-1973)でしょう。ミッドウェーではスプルーアンス少将指揮のエンタープライズ、ホーネットと共に空母ヨークタウンを旗艦とする部隊を指揮、ヨークタウンもやられますが日本の航空母艦赤城、加賀、蒼龍、飛竜を撃破します。後のスプルーアンス級駆逐艦のフレッチャー (USS Fletcher, DD-992) は、この人に因んで命名されました。
もう一人の「フレッチャー提督」はフランク・フライデー・フレッチャー(Frank Friday Fletcher, 1855-1928)です。なんと、「ジャック」さんのおじさんにあたります。
メキシコとの戦争で功績をあげ、第二次世界大戦でも多数建造されたフレッチャー級駆逐艦のフレッチャー (USS Fletcher DD-445) は、この人に因んで命名されました。一族で二人も軍艦に名前が使われるなんて、すごいですね。
この稿では「猛将」という設定のフレッチャーですが、猛将と言えばアメリカ海軍なら「ハルゼー」という名前の方がすぐに浮かびそうです。
ウィリアム・フレデリック・ハルゼー・ジュニア(William Frederick Halsey, Jr.1882-1959)はミッドウェーの時にはちょうど皮膚病にかかっていて自分の艦隊を指揮できませんでした。彼が代理として推薦した、航空艦隊を指揮した経験のない慎重派のスプルーアンス少将が大勝利を収めたわけですが、もし猪突猛進型のハルゼーが指揮を執っていたらあれほどの勝利はなかったのではないだろうかという人もいます。
ハルゼーさんよりは、珊瑚海海戦ではやはり旗艦のレキシントンをやられ、中破してなんとか修復しミッドウェーに参加したヨークタウンもやられ、それでもなんとか作戦目的を達成したフレッチャーのほうにいい意味の「しつこさ」と、人間味を感じました。
ヨードル海曹長
第二次世界大戦でドイツの降伏文書に署名したアルフレート・ヨーゼフ・フェルディナント・ヨードル(Alfred Josef Ferdinand Jodl 1890‐ 1946)から取りました。最終階級は上級大将。
彼は職業軍人の子として生まれましたが周囲の反対を押し切って貴族の令嬢と結婚し第一次大戦に従軍します。ドイツの敗戦後にアドルフ・ヒトラーに心酔しそこから軍の上層部に取り立てられてゆきます。
しかし純粋な軍人であった彼は昇進とともにヒトラーの軍事に対する無知への反感を募らせついに対立します。が、敗戦を迎え、ナチスの軍部高官であったことを理由にニュールンベルク裁判で死刑の判決を受け絞首刑にされます。
死刑執行の間際に、理髪師に母親に抱かれる自分の赤子の頃の写真について聞かれ、
「あの頃に死んでしまわなかったのが残念だな。こんな悲哀を味わわずにすんだのに」
と語ったそうです。
以下、ウィキペディアからの抜粋です。
「ヨードルの名誉回復を願う夫人の控訴により、西ドイツの非ナチ化裁判は『ヨードルは自分の行動を国際法を犯さない軍事作戦のみに限定していた』として、処刑理由とされた罪状を1953年2月28日付けで取り消す決定をした。
すなわちヨードルは無罪となった。
しかしニュルンベルク裁判の否定につながるとしてアメリカの反対にあい、9月3日にはバイエルン州法相が判決を取り消した」
「東京裁判」もそうですが、やはり、「戦勝国」が「敗戦国」を裁く「復讐裁判」だったのですねえ・・・。
カーティス・ルメイ
大東亜戦争において、東京に住む何の罪もない人々の上に焼夷弾の雨を降らせ、広島への原爆投下指示書にサインし、数十万人を虐殺したアメリカの軍人、カーチス・エマーソン・ルメイ(1906‐1990)という人の名前から取りました。
彼は京都への原爆の投下には賛成しませんでしたが広島への投下命令書にはあっさりサインしたみたいです。どうしてだかはわかりません。
戦後すぐの記者会見では、
「ソ連の参戦がなくても原爆の投下がなくても戦争は終わっていた」
と言ったそうですが、その後だいぶ経って発言を訂正し、
「原爆投下は戦争を終わらせるためには必要不可欠だった」
と言い直しています。所詮(しょせん)、宮仕えの人だったのでしょう。
ベトナム戦争でも、
「ベトナム人を石器時代に戻してやる!」
と発言し、有名な「北爆」の指揮を取りました。
戦後日本の政府は、勲章欲しさに言葉を変える程度のこの人に勲章をあげたそうですから、お前らアホかと言われるのは日本人かもしれませんね。
日本からもらった勲章よりも英国首相チャーチルからもらった勲章を大事にして死んだそうです。
20240825 追記
実はこのルメイ将軍に戦後勲章を贈ったのが、今自民党総裁選で話題の小泉進次郎さんのお父さんで元総理大臣の小泉純一郎さんのお父さん、つまり進次郎氏の祖父である小泉純也さんです。ちな、小泉家に婿入りした人です。ちな、ウィキペディアによれば、その昔薩摩藩が召し抱えた朝鮮人陶工の子孫だということです。
以下、ウィキペディア
「1964年12月4日、カーチス・ルメイの勲一等旭日大綬章叙勲の閣議決定に参加した。この叙勲に関して東京大空襲や原爆投下に関与したルメイへの授与が非難されたが、小泉は『功績と戦時の事情は別個に考えるもの。防衛庁の調査によれば、当時ルメイは原爆投下の直接部隊の責任者ではなく、サミュエル・モリソンによれば原爆投下はトルーマン大統領が直接指揮したものである』と説明し、佐藤栄作首相もそれに同意している。推薦は防衛庁長官小泉純也と外務大臣椎名悦三郎によって行われた。」
小泉家というのは「長いものには巻かれる」家系なんでしょうかw。いや、これは口が過ぎましたね。
ちな、純也さん。全身にびっしりと洗っても消えない絵が書いてあったそうですw もし今なら銭湯やプールにも入れませんでしたね。小泉家というのは横須賀で代々沖仲士の元締めであり、戦前は帝国海軍と関係が深く、またヤクザとして広域暴力団の稲川会とも関係が深いご一家ですね。コネでのし上がる家系の典型、ですかね。あ、これはまた口が過ぎましたw。
また、その純也さんの舅、つまり進次郎さんのひいお爺ちゃん(小泉家直系)が小泉又次郎さんで、この人は、
「日露戦争後のポーツマス条約に反対して、日比谷焼き討ち事件では大暴れした。」(ウィキペディア)
講和条約に不服だったということですね。もっとも当時は新聞のミスリードによって全国でこうした暴動が起きたと言います。日露戦争が辛勝だったのを知らされていなかったせいですね。
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