吉越まりこの変化

えいみ

吉越まりこの突然の境遇

第1話

東京動物病院の休憩室にて、同僚で友達の桃川ももかわと話していた。桃川は旧姓で今は細川ほそかわなんだけど、面倒だから桃川と呼んでいる。


「まりこ、異動かもよ?しかも地方に!」


「まじ?」


「噂だけど~」


「まじだったら私どこに行くわけ?」


「知らん!」


桃川のくだらない噂に、ちょっとはらはらした。てゆーか?私有能だし、異動とかないし!と思ってた翌日…。


「まりこ、異動決まったみたいよ?」


なぬ!?


同僚で友達のなぎさから情報をもらってすぐ、1人で掲示板へ向かった。

私が異動なんてありえない!


が、しかし…張り紙にはこう書いてあった。


異動

動物看護師 吉越よしごえまりこ

青森動物病院 獣医 


げー!


あそこには元カレの足助守あすけまもるがいる!気まずすぎる!なんで私?足助守がまだいるでしょ?

そんなイライラをぶつけるために、休憩室にいる桃川に当たることにした。


「桃川が行けばよかったじゃん!」


「ばかにすんな~!まりこは獣医として行くんでしょーが!桃川とか無理じゃん!」


「そうだけどー嫌なんですけどー」


桃川と2人で話していると渚がやってきた。


「まりこ、足助くんがこっちに異動してくるって」


「はー?」


「つまり、まりこは足助くんの代わりってことじゃないの?」


「なんで?足助守こっちなの?」


「研究チームに入るとかじゃないの?」


なにそれ、悔しい…。私なんて入ったことないのに…って違う!

ラッキー!足助守と会わなくていいんじゃん。


「桃川!あんた足助守の面倒みてやれよ!」


「いきなり元気出すぎ。はー足助くんめんどいなぁ。渚が相手してやって~」


「嫌だけど。桃川が係でしょ?」


「えー渚ひどー」


でも、私の異動は事実だよね…。友達もいない知らない所で、1人暮らしもしたことない私が生きていけるのかな…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る