第2話【社会人二年生 vol.2】

 不具合が見つかっては元のプログラムに戻し、修正後に更新プログラムをリリースしてまた別の不具合が見つかる・・・本番環境(お客様の実業務環境)でこんな事を繰り返していて、タダで済むハズがありません。


 痺れを切らされたお客様に、遂に呼び出されました。これまでの信頼関係もあり、最初の内は許してもらえていたのですが・・・。何度も業務に支障をきたしてしまっている以上、一体何事かしっかりと説明するよう求められました。



 県警の課長様へ説明にあがることになった私。

 私ども、ではありません。

 協力会社の方々を行かす訳にはいきません。目上の方とはいえ、親会社としての社員は私なのですから。

 ですが・・・え?私、ひ、一人ですか・・?先輩や上司はいずこに?

 私、一応まだ二年目の下っ端なんですけどーーーーーッ


 果たして、課長様のお部屋へと通された私。状況を説明するもかなりお怒りのご様子でした。


「一体いつになったらまともに動くんだ?」

「ちゃんとテストはして来たのか?」

「テストして問題ないことを確認してから、本番環境に導入するのではないのか?」



 ごもっとも過ぎて何も反論することなどできません。落ち度は完全にこちら側にあります。

 リリースの納期を示すように言われ、課長様のお部屋を辞去した私。

 思わずトイレに駆け込み、実に数年ぶりに涙を流して泣きました。



 あ、で、この話は私の失敗話を懐かしんだり同情をされたい訳ではなく、「私は一体をやってんだ」的な気持ちになったことを残しておきたいのです。

(これまでのエピソードは半分はギャグ話です。実際はギャグでは済みませんでしたが)


 課長様からお叱りを受けた翌朝のこと。サーバ室に幽閉されてから三日目の早朝でした。当時まだ若かったとは言え、さすがに碌な睡眠も取らずに(ほぼ徹夜でした)サーバ室に籠りっぱなしでは、かなり気分が滅入ってきておりました・・・。


 協力会社の方からの薦めもあり、私は気分転換も兼ね、外(シャバ)の空気を吸いに県警様の周り(屋外)を散歩する事と致しました。

 外に出たのは二日ぶり。

 時間は朝の五時半くらいだったとの記憶です。



--vol.3へ続く--

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