湖畔の秘密

葉月花と小鳥遊結衣花は、親友になった後も、毎日のように湖畔での散策を楽しんでいた。ある晴れた午後、二人は湖の北側にある未開の小道を歩くことに決めた。この辺りは普段あまり人が通らないため、どんな景色が広がっているのか楽しみだった。


道を進むにつれ、周囲の風景は次第に変わり、木々がさらに密に、そして森のように深くなっていった。結衣花が興奮気味に話しかける。「ここには湖畔の秘密があるんだよ。」


葉月花は興味津々で、結衣花に尋ねた。「秘密って、一体どんなものなの?」




結衣花は少し照れくさい表情を見せながらも、話し始めた。「昔、この湖には魔法の鏡があったって言われているんだ。鏡には不思議な力があって、その力で人は一時的に大人の姿になれるんだって。」


葉月花は驚きと好奇心が入り混じった表情を浮かべた。「本当に?それは面白い話だね。でも、どうしてそんな話が?」


「わからないけど、町の古い人たちが語り継いでいる話なの。湖にはその鏡を探している人がいないから、もしかしたら本当にどこかに隠されているかもしれない。」結衣花はそう言って、湖畔の奥へと向かう目を輝かせた。




二人はさらに湖畔の奥へと進み、古びた木の根元や茂みの中を調べた。すると、突然結衣花が「これ、見て!」と声を上げた。葉月花が駆け寄ると、そこには小さな洞窟の入り口が隠れていた。


洞窟の内部は暗かったが、二人は意を決して中に入ることにした。懐中電灯を取り出し、洞窟の奥へと進んでいくと、やがて洞窟の奥に古びた箱が置かれているのを見つけた。




興奮を抑えきれない結衣花は、箱を開けると中には輝く鏡が入っていた。鏡の表面には美しい装飾が施され、確かに伝説の鏡のようだった。葉月花はその鏡を見つめながら、「これが伝説の鏡なのかな?」とつぶやいた。


結衣花は鏡を手に取り、鏡の前に立つと、鏡の表面に自分の顔が映った。「この鏡、もしかしたら本当に力があるのかもね。」


葉月花も鏡を覗き込みながら、「でも、この鏡には何をするべきか書かれていないね。使い方がわからないと。」




洞窟を後にした二人は、夕暮れの湖畔を歩きながら話を続けた。「この鏡を使ってみるかどうかは別として、まずはその力を確認してみたいね」と結衣花が言った。


葉月花は頷きながらも、「それにしても、こんなに早く伝説の鏡を見つけられるなんて、本当に驚いたよ。これからどうしようか。」


二人はそのまま歩きながら、今後の計画について話し合い満月の夜に変身の儀式を執り行なうことに決めた。

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