第24話 岩宗治生『ウスズミの果て』

岩宗治生『ウスズミの果て』1~3巻を読んだ。

アポカリプス後の世界を描いた漫画だが、人類文明を滅ぼした断罪者という怪物はまだ生きている。

主人公丑三小夜は断罪者の根絶と世界の浄化、生き残った人類の保護のため旅を続ける。

ポストアポカリプスの傑作少女終末旅行のような胸を抉る詩情がここにもある。

特に一巻の「転居」と二巻の「図書館」のエピソードは堪らない。

見開きの大きな絵を緻密なリアリズムと詩情で同時に満たす画力も凄い。

タイトルは「薄墨=灰色の世界の果て(に色彩=希望を見いだす)」という意味であろうか。

今後の展開が楽しみだ。

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