持病について

吉川愛莉

癲癇

最強かつラスボス的な存在の母とそして、精神疾患を持つ父の間に生まれた、メンヘラ姉ちゃんこと明星リルルは、小2の頃、私が発症した、病名は小児癲癇、説明すると、癲癇というのは痙攣、意識障害などの発作を繰り返す脳の疾患。突然意識を失って倒れ硬直、手足の痙攣を起こすなど、症状は多様、遺伝的素質による他、外傷、脳腫瘍などの脳の損傷によっとも起こる、私の場合は遺伝疾患の問題である、この頃から私の生活は前よりも変わってしまった、毎日、飲みたくもない薬を飲まなきゃ行けなくなって、友達も離れていった、本来小児のうちなら2年発作を抑える事が出来れば、治す事が出来る、だけど、薬の副作用は思っている以上に酷かった、常に眠気や吐き気は襲い、友達にも理解して貰えなくて離れて行く一方、私は一時期、薬を飲むのを拒んだ、だけど、その度に発作が起きて、また1から治療はやり直し、意識のない状態で発作が起きる時は、何が起きたのかはさっぱり分からない、だけど、途中意識が戻った状態で発作が起きた時があった

「リルル!息しなさい!リルる!」

慌てる母の声がした、私は何が起きたのかは分からない、ハッと意識が戻った時、手足は痙攣し目もまともに見る事が出来ない、呼吸も出来なくて苦しかった、例えると海で溺れてるような感覚である、確かに私だって辛い、だから直したい気持ちだってあった、だけど理解してくれる人なんてなかなかいない、副作用も辛すぎて薬を飲むのが嫌だった、飲まなきゃ治らないのに…だけど飲まなかったら母に怒られる、自分だってわかってるのに、飲んだら辛い、でも治らない、飲まなきゃ母に怒られる、その繰り返しだった、私はこの持病の事を隠して生きてきた、そして、何度も挫折を重ねて中3に上がる頃、やっと…やっと、治す事が出来た、治ったと言っても、押さえ込んでいる状態である、いつまた再発するかは分からない、だけど、大人になったら治すことが出来なくなる…もう、薬を飲まなくて済む…だけど、治療には約7年程かかっている、本来頑張れば2年で治るのに、みんなが離れて行かなかったら、頑張ってね、の一言でもあったら何かが違っていたのかもしれないのに…見方なんて誰もいなかった、唯一見方をしてくれたお爺ちゃんだって、もう亡くなっている、私が小6の時に…私は小6になってもお爺ちゃん離れが出来なかった、それ程大好きだったから、そして、精神疾患を持ちたまにしか会えなかった父ももう、会うことが出来ない、何もかも奪われた、お爺ちゃん離れが出来る前に亡くし、父親に対する反抗を覚える間もなく…辛い事だけを残されたような気分だった、今は口うるさいラスボス的存在の母とそして、煽りマスターの妹しかいない…だけど、やっと治す事が出来た、中学では変わりたくて、必死に努力して友達だって出来た…二度とあんな思いはしたくないから…結局、治療を頑張るしか道はないんだよ…

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