第9話 リトルリーグでのはじめての試合
リトルリーグに入団してから数週間が経ち、篠崎雄大は新しい仲間たちと共に練習を重ねていた。雄大は前世での経験を活かしながらも、新しい環境での練習に一生懸命取り組んでいた。コーチやチームメイトからも少しずつ認められ始め、自分のペースで成長している実感を持っていた。
ある日、コーチがチーム全員を集めて、次の試合について話し始めた。
「みんな、次の週末に初めての試合があるぞ。相手は隣町の強豪チームだ。ここまで練習してきたことを全て出し切って、全力で挑もう!」
その言葉に、チームのメンバーたちは興奮と緊張が入り混じった表情を浮かべた。雄大もまた、自分の初めての試合に向けて、心を引き締めた。前世での経験があるとはいえ、彼にとってこの世界での初めての公式戦だった。
試合当日、雄大はユニフォームを着て、グラウンドに向かった。チームメイトたちと共にベンチで準備を整えながら、雄大は自分の心臓が高鳴るのを感じた。相手チームの選手たちは、いかにも強そうな雰囲気を漂わせていて、雄大は少しの緊張を覚えた。
「大丈夫、今までの練習を信じて、自分のプレーをしよう。」
自分にそう言い聞かせながら、雄大は最初の守備に備えた。ポジションは外野だった。コーチからも「今日は守備に集中して、自分の役割を果たせ」と言われていた。
試合が始まると、相手チームの打者たちは次々と強力な打球を飛ばしてきた。雄大は必死にボールを追いかけ、何度か好守備を見せたが、それでも強豪チームの攻撃は止まらなかった。点差は徐々に開いていき、雄大たちのチームは苦しい展開となった。
それでも、雄大は最後まで諦めずにボールを追い続けた。そして迎えた最終回、相手チームの強打者が放った打球が大きな弧を描いて外野に飛んできた。
「ここで取らなきゃ!」
雄大は必死に走り、ボールの落下地点に向かって全力でグローブを伸ばした。前世の記憶と経験が体に染み付いている彼は、どこか自信を持ってその打球に挑んだ。そして、見事にその打球をキャッチした。
「ナイスキャッチ!」
チームメイトやコーチの声援が雄大の耳に届いた。その瞬間、彼は自分がこの世界で再び野球をやる意味を強く感じた。試合には負けてしまったが、雄大は新しい仲間たちと共に得たこの経験を、今後の糧にしようと決意した。
試合後、雄大はチームメイトたちと笑顔で手を取り合い、「次は勝とう!」と誓い合った。彼の中には、リトルリーグでさらに成長していく決意が固まっていた。
もう一度、夢のマウンドへ 転生した少年の現代ドラマ なちゅん @rikutui3
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