(七)ライの日記 その1
紙きれ一枚。
これが届いたのは、今朝のことだった。差出人は魔狩協会本部。兄貴が帰ってくるはずだった日付は、もう三日前のことで。
文面だけの謝罪。契約内容の羅列。
いつかこんなときが来るんだろうな、と思っていた。
けど、心のどこかで、そんな日なんか来ないんだって、根拠もなく信じていた。
ごめん。兄貴。おれは最低だ。
おれ、この紙きれを見たときに、いちばんに思っちゃったんだ。
これからどうすればいいんだろうって。
兄貴がいなくなった悲しみよりも先に、自分のことを考えた。
ごめん、兄貴。
なんて。
あやまっても、もう届かないんだろうな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます