第21話 新たなる戦略会議

エニグマ号がバルサム星系から新たな航路に乗り出して数日が経った。クルーたちは次なる目的地を見定めながら、これからの戦いに向けた準備を進めていた。銀河統一同盟(GUC)のレナ・カイラー大統領から、エテルニス帝国の動きに関する緊急連絡が入った。


ゼノ・オスカーはブリッジに集まったクルーたちを見渡し、慎重に話を始めた。「エテルニス帝国が、銀河の重要な拠点を次々と攻撃している。彼らの目的は古代の装置、エターナル・スピアを手に入れることだ。もし彼らがそれを手にすれば、銀河全体が支配される危機に直面する。」


レナ・カイラー大統領のホログラムがブリッジに映し出され、彼女の厳しい表情がクルーに緊張感を与えた。「エテルニス帝国は、エンシェント・ドレッドノートを中心とした強力な艦隊を編成している。我々は彼らを食い止めるために、全力で同盟軍を集結させなければならない。しかし、それにはエニグマ号の助けが必要だ。」


「我々はすでに彼らの動きを警戒しているが、これまでにないほどの脅威に直面している。」ゼノは重々しく頷き、「同盟軍を結成し、銀河全体の防衛ラインを築く必要がある。我々はその中心となるべきだ。」


サイラス・ヴァリスが戦術マップを広げ、エテルニス帝国の攻撃ルートを指し示した。「彼らの戦略は、銀河の要所を狙った精密なものだ。もしエターナル・スピアを手に入れることができれば、我々の抵抗は無力化される。我々は、その前に彼らを阻止しなければならない。」


「サイラスの言う通りだ。」リラ・ナイトシェイドがデータを確認しながら同意した。「エターナル・スピアを守り抜くことが最優先だが、同時に我々が彼らの次の動きを予測し、先手を打つ必要がある。」


レナ・カイラー大統領が話を引き継いだ。「同盟軍はすでに結集を始めているが、エニグマ号には、銀河の各地で同時に発生する紛争の調停と、エテルニス帝国の中枢への直接攻撃を担ってほしい。ゼノ、あなたとクルーの判断に全てがかかっている。」


ゼノは静かに深呼吸し、決意を込めて頷いた。「我々は銀河を守るために全力を尽くす。エテルニス帝国の計画を阻止し、エターナル・スピアを安全な場所に隠すことを最優先にする。」


ケイド・ローガンが勇ましい表情で指を立てた。「我々は準備ができている。どんな戦いであろうと、奴らに後れを取るつもりはない。」


「では、次のステップを明確にしよう。」ゼノは作戦を整理し、クルー全員に向けて指示を出した。「サイラス、戦術プランを立て直し、可能な限り迅速に敵の動きを封じる。リラ、エターナル・スピアの保護に必要な情報を解析し続けてくれ。ケイド、戦闘準備を整え、いつでも出撃できる状態にしておいてくれ。」


クルーたちは即座に動き出し、それぞれが次の戦いに備えて準備を進めた。エニグマ号は再び緊張感に包まれ、銀河全体の運命がかかる戦いに向けて、着々と準備を整えていった。


「レナ大統領、我々は全力で戦います。必ずやエテルニス帝国の野望を打ち砕いてみせます。」ゼノは力強く宣言し、ホログラムが消えると、ブリッジに残ったクルーに向けて静かに語りかけた。


「これからの戦いはこれまで以上に厳しいものになるだろう。しかし、我々には銀河を守る使命がある。全員で力を合わせて、この危機を乗り越えよう。」


エニグマ号は新たな戦いの幕開けを迎え、銀河の未来を賭けた壮大な戦いに向けて再び動き始めた。彼らの前に立ちはだかる困難を乗り越え、銀河に平和を取り戻すための冒険が、今まさに始まろうとしていた。

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