第12話 久里浜

小田原での不思議な夜を過ごしたマサとその友人たちは、翌朝、久里浜へ向かうことにした。彼らは海を見ながらリフレッシュしようと考え、久里浜の静かな海辺に到着すると、浜辺を歩きながら貝殻を集め始めた。


マサは、貝殻を拾いながらふと思い出したのが、以前この近くで見つけた美味しいラスクの店だった。彼は友人たちに提案し、その店へ向かうことにした。ラスクを楽しみながら、彼らは再び久里浜の街を歩き出す。


しかし、街を歩いている最中、マサの友人の一人が突然立ち止まり、周囲を警戒し始めた。彼の目には、遠くからこちらをじっと見つめるミミズクが映っていた。そのミミズクは不気味な雰囲気を醸し出し、その姿を見てマサは妙な胸騒ぎを覚えた。


その後、森の中を散策していると、道端にひとつの看板が立っていた。「マムシ注意」と書かれており、マサたちは気をつけながら道を進んだ。しかし、進むにつれて空気が重くなり、不穏な気配が漂い始めた。


突然、マサの頭の中に「死神」という言葉が閃いた。彼はその不安を打ち消そうとしたが、森の奥から不気味な影が近づいてくるのを感じた。仲間たちも同じように感じたのか、緊張感が高まっていった。


その瞬間、森の中の静寂を破るように、風が吹き荒れ、木々がざわめいた。マサはミミズクの鋭い鳴き声を聞きながら、頭の中に浮かんだ「死神」のイメージと不吉な風景が重なるのを感じた。


彼らは一気にその場から逃げ出し、街へと戻った。久里浜の静かな空気が、先ほどまでの不安感を少し和らげたが、マサの胸の中には依然として謎めいた感覚が残っていた。その体験が何を意味しているのか、彼にはまだわからなかったが、何かが自分たちを監視しているかのような気配を拭い去ることができなかった。

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