3+1 side online ~蒼目の猫は空での生活を夢に見る~

プロローグ

　VR技術が発達し、ゲームにもその技術が応用されるようになってきたある年の３月１日にある一つのゲームがサービスを開始した。

　そのゲームのタイトルは『3 + 1 side online』というものでとにかく３と１にこだわっているゲームである。実際に行われたクローズドβテストでは、募集人数が3万1313人だったり、動画サイトなどでこのゲームのことについて表示された広告が表示されたのは 3131万 3131人だったりという具合である。実際に私もそんな広告に興味を持った一人だったのだ。

「今度こそ空で動けるゲームだといいなー。今のVRのゲームはまだあんまり空に対応してないし。」

　と、私、天海（あまみ） 空音（そらね）はそう呟いていた。VR技術がゲームに応用されてきているとはいえ、実際に動いてるときに違和感を感じないのはあくまでも陸上でのジャンプや水中のときであるため、空中ではあまりその技術が活かされていない。ただ、『3 + 1 side online』ではその問題を解決しているらしい。

　そもそも私がここまで空に執着するのは、いったことのない場所であり、どんなところなのか想像が全くできないところにある。その観点からでもこのゲームにはとても期待している。

このゲームは朝の８時にはサービスを開始していたらしいけれども、このゲームの製作者が１と３以外の数字を出したことが不思議だったので、少し待っていた。

そして３月１日 13時13分13秒にゲームを起動した——————