青春の軌跡

マッシー

序章

 このお話が始まる昭和三十年代、結婚は「お見合い結婚」が当たり前で、恋愛結婚を『野合やごう』と言って非難する人が沢山いました。結婚前に体の関係を持つなどもっての外で、好きな人とは結ばれないのが普通でした。

 上司や親戚などの紹介でお見合いをして、結ばれた人を好きになるしかなかったのです。結果として一緒になった人のことを『私とこの人は、生まれる前から縁があったみたい』と思い込むしかなかったのです。これが本当の幸せと言えるでしょうか?

 

 それから二十年経つと、恋愛結婚が当たり前になり、体の関係がないと、「私はあの人と付き合っているの」と言えない時代になったようです。

『この人のためなら人生を変えられるか』または『この人のためなら死んでもかまわないか』という、恋愛における基本的なことを検討しないまま体の関係を持つ・・・ 

これが本当に恋愛と言えるでしょうか?


 これはその過渡期に青春時代を過ごして、失恋をばねにして成長し、日本を代表する公害防止学者になった若者の物語である。

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