第28話 国家存亡と阻む手
罫国 麺生城
落とされた麺生城に各国の大将軍兼大将達が軍を引き連れて来ていた。城外には各国の軍が綺麗に並んでおり、その姿は威圧そのものであった。
羅現「生国軍の大将である羅現だ。今回は李警殿の指揮下で戦えることを嬉しく思う」
袂盤「呉国軍の大将の袂盤だ。俺は別に従うつもりはないが罫国を滅ぼせるなら手助けしようと思って我が国の大王に懇願してきた」
矢佐君(球国宰相 連合軍総大将)「李警殿は大将ではない。参謀だ。実質的な指揮は李警殿が行う。俺はただの置き物だ」
そう言っていると李警と北建が遅れて現れた。到着すると李警は悪意のない笑顔を放って頭を少し下げながら各国の大将軍達の前に立った。北建は不機嫌そうな表情を変えず、一部の将軍達は不気味そうな顔をしていた。
李警「あら、まだ2ヶ国の大将さん達しか見えてませんね。矢佐君さんのところの大将さんもまだですか?」
矢佐君「あぁ、伝令によれば近くの城をできるだけ落としてくるから遅れるらしい。あのハゲは勝手なことばっかするからな」
マルド(泥国大将軍 泥国軍総大将)「先ずは遅れたことを謝ろう。理由は俺が連れてきた山民族が喧嘩したことと近くの城で虐殺を行ったからだ。まぁ、不満があれば戦後に我が国がこの土地の一帯を貰ってやるから心配するな」
矢佐君「(マルドか…確かだが奴は山民族の王でその力は泥国大王にも匹敵するらしいが俺ほど王以上の権力を持ってる奴がいるとはな、話しにくい相手だ)」
天名(輪舞国大将軍 輪舞国軍総大将)「おぉ、やっとるやっとる。老将のわしが連合軍に1国の大将として参加できるとはな。まぁ、老人だから死んでも国に大差ないか、わっはっはっは!」
路陣(夕国大将軍 夕国軍総大将)「夕国軍の大将に任命された路陣です。大将軍になった日も経験も浅すぎる若武者ですのでどうかお手柔らかにお願いします」
そうして各国の大将軍が集まるなか球国軍だけが現れなかった。矢佐君は怒って近くの椅子を蹴飛ばして城の屋敷に入っていった。連合軍は麺生城で1泊することにした。来なかった球国軍は落ちかけていた罫国の万白城を攻めていたところを王蒙軍に奇襲を受けて苦戦していた。数は圧倒的に上回っていたが王蒙の的確な指示と兵達が的確にこなしたため、簡単には敗北していなかった。それが少し離れた麺生城に伝わったのは翌日のことだった。一方で王宮では呂政貴以外は徹夜をして連合軍妥当の作戦を目を血走しらせながら考えていた。
李警「では罫国への侵攻を前に球国軍を助けに行きますよ!急がねば罫国軍が対策されてしまいます。それが厚くなる前に内部への侵攻をしなければなりません」
その横で馬を走らせる矢佐君が申し訳なさそうな顔をして頭を下げてきたが李警は笑ってその場を濁して櫓国軍へ戻っていった。
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