土用波

第1話 人魚のオヒレ

お盆だから夏華ちゃんがじいちゃんとばあちゃんところへ来るから。

楽しみにしてた。

なっちゃんはお母さんのお姉さんの子供なの。

東京に住んでて、すんごい頭のいい中学に

合格して一年生なの。

美人だし、色白で髪も長くしてて、、。

とにかく憧れなの。

私は小学三年生。

おばちゃんとなっちゃんが来たけどおじさんは仕事だって。

まっ、おじさんなんてどうでもいいや。

社長さんらしいけど、いばりんぼうで

好きじゃないから。

なっちゃんは私のにいちゃんと同じ歳。

だけど、にいちゃんみたいに意地悪じゃないもんね。

いつもお土産だよってこんな島には無い

可愛いキーホルダーとか消しゴムとか

ディズニーのぬいぐるみとか、、。

なっちゃんが来たーー！

私は照れちゃうんだな。

お母さんの後ろに隠れてもじもじ。

「ふうちゃん！

久しぶりね。うわー、焼けたね。ふうちゃんらしくていいわ。」なっちゃん

なっちゃん、夏なのに白くて手足も長くて

麦わら帽子の後ろリボンが、ワンピースと

お揃の色だ。

海風が吹くと人形のオヒレみたいだ。

そう思いながら、なんだか消えちゃうような

気がした。