かず

イタチ

第1話

かず








辺りは、茹だるように熱い八月の半ばのはずなのに

私の思考は、いやに冷えていた

ここは何処だろうか、今までに感じた事のない

出来合いの創造物以外から漏れ出す

匂いに、私は、戸惑っていた

ここは何処だろうか

目を開いて、私は、更に疑問を強くする

辺りは、茶色一色

いや、狐色か

木が壁一面に、張り巡らされたそれは、所謂、ログハウスと言われるものであろうか

コンクリートで、生まれたような私は、そのtvでくらいしか、見た事のない物に対して

これは、夢なんだなと、理解したが、しかし、そこまで考えて、夢を見る前の記憶を、私は、考え始めた

何処か、そう、私が、住んでいる、アパートの一室で、私は寝たはずであるが、その記憶が、どうもあいまいだ

それを、夢の中で、考える必要が、私にあるのかと言われてしまえば、それまでであるが

私は、ゆっくりと、もう一度、目を開けた

どうも、現実っぽい

周りを見ると、同じような、白いタオルケットが、足から肩にかけて、かけられている

人間が、死体のように、ずらりと、並べられている

その白いコントラストは、一種、どこぞの危険カルトを、思わせるが

しかし、何がどうなのかさえ、分からない、私において、それは、否定することも、肯定することも、出来ない内容なのであった


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